ドキドキの精神科初診物語 パニック障害日記③
※パニック障害についての記事です。苦手な方は注意してください。
町のクリニックは新患の受け入れは無いとことごとく断られ絶望!
困った私と夫は古くて怖い雰囲気の精神科病院へ連絡し、2週間後の初診予約を獲得。
かかりつけ医へ紹介状をもらいに行くと叱られショック!
なんとか初診日を迎えた私です。
↓この記事の続き
院内は明るく、清潔で入りやすい雰囲気!
若い人もたくさんいて、みんな問題を抱えているとは思えなかった...
綺麗なクリニックではこんな風な感想を抱くのだろうか。
私は暗く、冷たい雰囲気の、寒くて、時折怒鳴り声の響く精神病院にいた。
「トイレはさっき行ったでしょ!」と言われている車椅子のおばあちゃん
落ち着きなく廊下を行ったり来たりする男の人
ぐったりとソファに横たわる女の人
そして発作に怯え、気を紛らわそうと深刻な顔をしながらブツブツとしりとりをする私。
はじめて経験する異様な空間に、私は悲しいくらいに馴染んでいる人だった。
はじめに様々な病気に関する質問用紙をもらった。
4枚か、5枚くらいの、結構な時間がかかった気がする。
とてもよく当てはまる、当てはまる、やや当てはまる、あまり当てはまらない、全く当てはまらない...
日本人は「やや」とか「あまり」につけがちだが、私は答えに迷わなかった。
質問紙を提出すると、心理士さんとの面談に呼ばれた。
今までの生い立ちや家族について、そして症状について、思い当たる原因について、ゆっくりと、そしてスムーズに話を引き出してくれた。
夫は付き添っていたが、夫についての話の時には席を外してもらった(あとて尋ねると聞きたかったらしい)。
最後の最後に私は
「診断名がつくのが怖いです。治療のために必要なら受け入れます。でも、診断されたらもう一生病気のまま生きていく気がして怖いです。」
と伝えた。正直な気持ちだった。
症状に気付いて、助けてほしくて病院に来たのに私は病気になるのが怖かった。
面談が終わると次は身体測定や採血をすると言われた。
10時に受付、大体30分後くらいに20分ほど面談、お昼が過ぎて、売店で買ったチョコレートを食べた。
そして時は過ぎ14時頃に処置室へ呼ばれ、身長・体重・血圧の測定、そして採血を受けた。
その30分後、ついに診察室へ呼ばれたのだった。
少し太っていて、色が白くて、若めな男性医師だった。
喋り方は機械的で早口。笑顔はない。
優しくて人当たりのいいお医者さんとは程遠い印象だった。
質問紙や心理士さんとの面談結果を見ながら質問し、私は答える。
そして
こんな症状が出ているので、この病気が疑われます。
こういう人がなりやすい病気です。
など、淡々と事実を伝えてきた。
今後の治療について話がうつった。
薬物療法を提案され、話を進められそうになった。
しかし私はその時他の病気にもかかっていて、たくさん薬を飲んでいたのでこれ以上常用する薬を増やすのが嫌だった。
それに加え、発症してから診察日までの間に症状が増強されていないこと、認知行動療法をメインでやってみたいという理由があった。
「そうですか。ではそうしてみましょう。」
とあっさりと表情を変えず先生は答えた。
暖かな印象はなかったが、きちんと患者の話を聞いて頭ごなしに否定せず、選択肢を与えてくれるいい先生だと感じた。
この人は信頼できるな〜と感じた。
しかし認知行動療法をメインでやっている心理士がいないこと、そして先生自身もサポートできるほど知識がないと最初に伝えられた。
自分自身でやれるところはやって、難しいところは先生に頼る形となる。
「病名が付くことが怖い」という私の気持ちについては、治療には病名をつけることが必要であることが説明された。そうですよね。
そして、「一生病気のまま生きるのでは」という不安には「病気だからと言って全てがダメ、何もかもが出来ない。となるわけではないです。」と、私の意見には否定も肯定もせず、なんとなく納得できることを言ってくれた。
その時には私はもう、仕方ないか〜仕方ないよな〜事実だもんな〜と受け入れる気持ちになれていた。
ドキドキの初診日、私の治療方針が決定した。
認知行動療法メインで、薬は頓服薬のみが処方される。
診察が終わったのは15時半ごろだった。
トータル5時間半。
疲労感はあるものの、信頼できる医師が見つかったことの安堵感と見通しが立たない状況からの脱却で心はスッキリとしていた。
もしかしてやばい病院に来ちゃってやばい先生にあたった!!!???
と不安になったが、中身はいい病院でいい先生だったという話でした。
次回は、そうだ認知行動療法をやってみよう編になります。
お楽しみに〜