まちづくりをする不動産屋さんになるまで③
20代の自治会長の誕生
「繰り返しますが、会議の出席率が一番高かったのは石井さんですね。」
ほら、早くなんか言いなさんなと言わんばかりに全員の視線が痛いほど突き刺さってきます。
「こりゃ決まりだね、よかったよかった!ほっ。」という皆の心の声がはっきりと聞こえています…。
私の心の中ではリトル石井が囁きます。
おいおいおい…明らかに最年少だし、バリバリ仕事してる感もだしてるし、今日だってもう早く切り上げて仕事にいかないとって状況なんですよ?スーツ来てるの私だけですよ?
家に帰れば乳飲み子がまだいるんですって!
みなさん?わかりますよね?無理だってっ!
しかし、そう思いながらも口からでた言葉は、
「…私がやります。」
後悔、そして覚悟
自分自身が発した言葉に、しばし茫然としました。なんてことを言ってしまったのか…会社と家族にはなんと言おうか…今までそんな積極的な男ではなかったのにこんなところで男気だしやがって…
悶々としている中、お客様との約束が迫っていることに気づきます。
瞬間的に頭のスイッチを切り替え、「こうなってしまったらもう、やるはやりますよ!ただやるからにはみんなも手伝ってもらわないと困りますよ!」と、半ばヤケクソになりながらも、会長以外の役員さんをその場で冷静に判断し、一人一人お願いさせてもらいました。
会長以下の人事に関しては驚くほどのスピードで決まりました。
こうして、「自治会長」としての生活が始まります。
「任期は一年。もう一年の辛抱だっ!」
頭を切り替え、これも何かのご縁だし、まいっか!
と、持ち前のポジティブ思考で考えることにしました。
これが9年前のできごと…。つづく
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