コロナ禍の自治会
今年度初の自治連合会の理事会を開催することができた。
私の住む埼玉県吉川市は95の自治会がある。
その95の自治会は5つの地区連合会に所属している。さらに、95すべての自治会で組織される吉川市自治連合会が存在している。
私の地区は新興住宅街の自治会。平均年齢は40歳前後、子育て世代が多く、地区の小学校の児童数は1300名に近づこうというところだ。
それぞれの自治会に特色がある中、私の地区の自治連合会は発足間もないこともあり、大きな事業は合同で開催している。
ただ、毎年約1000人ずつ人口が増加しているため、人が集まりすぎるという問題に直面していた。
私は地区全体で3000人くらいの時に会長となり、まちの成長を見てきている。今や10,000人を越えてしまった。
合同でやっていた防災訓練や子ども向けのイベントは、体験できる人数が減ってしまったこと、安全に管理運営ができないことから、ここ数年は個々に活動することになったくらいだ。
人数の増加以外にも夏の猛暑による熱中症対策でイベントを縮小、中止なんてこともある。
そんな中のコロナである。
緊急事態宣言は解除されたものの、まだまだ第2波の恐れは払拭できない。予断を許さない状況であるというのが各会長たちとの共通の認識であった。
合同で行うイベントは数千人規模。三密を防ぐことはできず、子どもが多いイベントはソーシャルディスタンスも守れないと想定される。それ以上に、100名を超える運営側にも負担を強いることはできないというところから、今年度はすべての事業を中止とせざるを得なかった。
早計ではないかと思われることもあるだろう。役員のみで多数決をとればひょっとすると開催した可能性もあったかもしれない。実際に事業に関わっている人は思いが強いものでもある。
ただその役員たちの背景には、送り出してくれている家族がいる。そのまた背景にはおじいちゃんやおばあちゃんがいる。そう考えると「心配しているよ」という声なき声が聴こえてくる。
経済活動を止めるわけにはいかないから仕事をする。というのは、生きるためには仕方がない。しかし、ボランティアでお祭りやイベントをやることは、今現在はまだ優先順位は低いと判断した。
自治会には定年がない。住んでいる以上ずっと続くものだ。
幸福実感の向上と共に、誰一人不幸な人を生まないという運営の仕方が求められている。
「持続可能な自治会運営とは何か?」を追及していきたいと思う。