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怠惰な夏
夏は煌めきと 怠惰な濃い空気
人は生命エネルギーに満ち溢れる季節というけど
わたしにはなぜか死を感じさせる季節だ
もう終わりに向かっていくだけだから
うっかりすると 明るく陽気なふりをした 無限の暗闇が待ち構えている
夏の濃さは
生命力と死が隣り合わせに感じるから
くっきりとしているのかもしれない
冬はね
暗いし 生き物も植物も身を潜めているけど
次の季節が待っているから 暗く止まっているだけではない
夏とは違う 生命力が蓄えられている感じ
そっと優しく 次のステージが待っている
夏は怠惰に甘くのんびりと過ごすに限る
急ぐと あの無限の暗闇にのみこまれるから
ゆっくりと進めば 恵みの秋が向こうから
微笑みながらやってくる