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自分が心を動かされたもので、たくさんの人の心を動かす コルクラボ編集専科 #2 スピカワークス 鈴木重毅
コルクラボ編集専科の2回目に参加してきました。毎回、編集者の方々が「編集とは何か」を語ってくれたりワークショップをします。今回は、長年講談社で少女漫画の編集をされていたスピカワークスの鈴木重毅さん。
編集とは、自分たちが心動かされたものでたくさんの人の心を動かすこと
「社会を変えよう!」と声高に叫ぶのではなくて、「こんな素敵な人がいる」「こっちの方が楽しいよ」というものを作品にして、人の心を動かすことが、編集者としての社会への影響の与え方だ、という話が印象的でした。
そのままの言葉では、届かない人の心に届けること。少女漫画というのが特に、人間関係の繊細な部分を通して心を動かせる手法なんだなぁと感じました。
コンテンツはプレゼント、コンテクストは渡し方
企画の立て方として、コンテクストとコンテンツを行ったり来たりするというお話がありました。
1.入口のコンテクストを作る
社会の雰囲気を読み、自分なりの問いと答えを考える
2.座標を見定める
作家さんの立ち位置を確認して切り口を決める
3.コンテンツを強くする
毎回話の中で取り上げることや、キャラクターの行動のパターン、登場させる順番など、ルールを決める。
4.出口を作る
コンテンツの魅力を、読者が周りにどう伝えるのか設計する。
これらを、具体的な作品を例に挙げて実際どのように取り組んだのか、詳しくお話いただき、編集者の仕事の一端が具体的に見えました。
入口と出口の用意の仕方はじめ、企画のたてかたはマーケティングの世界とも通じるものでしたが、コンテンツを強くする手法なども伺って、編集者の仕事の幅広さ、深さを知りました。
そして、マーケティングと大きく違うのは、「心が動いた」ことを信じて、さらに周りを巻き込んで企画を通して実現させる部分。
ワークショップで、「好きな作品を3つ上げて、共通する要素を話し合う」というのをやったのですが、編集の経験のある方はスラスラと自分の好きな物の何が魅力なのか、的確に言葉にして伝えられていて驚きました。
初回で佐渡島さんがお話していた「好きのおすそ分け」というのはこういう事なのかも。編集者には必要な能力なのですね。おすすめいただいたように、まずはtwitterだとかnoteで「#好きのおすそ分け」を練習していこうと思います。
プロとしての素人目線の持ち方
編集者にとってもうひとつ大切なことが、プロとしての素人目線を持つこと。誰もが持っている思い込み、偏見、バイアスをとっぱらってフラットにみる技術が、編集者のプロの技だといいます。
編集者というのは感性と感覚が大事でセンスがものをいう仕事なんだろうと想像していましたが、それらは当然ベースとしてあった上で、技術が重要なんだと知りました。鈴木さんの、「何日も寝てなくても間違えないためにどうするか」と考え抜いたメソッドを教えて頂いて、今まで見えていなかった編集の技術がはじめて見えました。
編集者の方と仕事をする機会も多く、彼らに憧れながらも「自分には無理だろう」と壁を感じていました。それは、「生まれ持ったセンスがものを言う仕事だから」だと思っていたためです。
確かにそういう面はあると思いますが、技術を身につけることで、彼らには追いつけなくても、自分なりの仕事の仕方が見つかるかもしれないと、希望を持ちました。
まずは目の前の仕事に、教わったテクニックを当てはめてみよう。
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