第21回 「減災」でなく「増災」? 上野千鶴子
東日本大震災が起きたあとに石牟礼道子さんを訪ねたとき、彼女がただちに言ったのは「フクシマはミナマタのようになるでしょう」という不吉な予言でした。あの大震災と原発事故のあと、「ニッポン、変わらなくちゃ」という気分に満ち満ちていたとき、わたしは『婦人公論』の月1回年12回の連載に、12人の女性を選んで、これからのニッポン、どうしたらよいのでしょうと、智恵を求めて対談しました。その連載が本になったのが『ニッポンが変わる、女が変える』(中央公論新社、2013年)です。その最終回に、