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【プロいく講義まとめ②】プロ育成ゼミ第1期〜三宅香帆さんと谷頭和希さんの文章講座を受けて
その①はこちら
第3回
編集者は文章のどこを見ているのか その1(ウェブ編) ゲスト:岡本拓さん(東洋経済オンライン編集部)
この講座の醍醐味の一つでもある、編集者の方による講義回。第3回は東洋経済オンラインで編集者をされている岡本さんによる講義でした。編集者の前はライターもされていた岡本さんだからこその目線で、「まさにそこが気になっていた!」なポイントがぎっしりつまった講義でした。
読まれるWEB記事の条件
多くの人がよく知っているものを新しい切り口で書くこと。また、書くに足る人であること(専門性、ブランディング)。肩書きは大切(ex.三宅さん:文芸評論家、谷頭さん:チェーンストア研究家)。
仕事が続きやすい書き手の特徴
オープンマインドであること。満点を目指さない。コミュニケーションの波長が合う。
修正時に気を付けるべきこと
修正依頼は「ダメ出し」でも「採点」でもない。また、必ずしも指示通りに修正する必要はない。記事がより良いものになっていれば良い。ただし、一旦は受け入れるマインドでいること。
ここに挙げている以外にも、非常にためになるお話ばかりでした。また、岡本さんのお話を聞いていて、マンガワンの千代田さんと考え方が似ているなと思っていたら、岡本さんご本人からもマンガワンのお話が出てきて驚きました。と同時に、やはり良い編集者の方というのは媒体が違えど、通ずるところがあるのだなと感じました。
岡本さんのXでも、これからライターを目指す人にとって非常に分かりやすいまとめポストをされていたので、ライター志望の方はぜひ。
第4回
編集者は文章のどこを見ているか その2(書籍編) ゲスト:吉田隆之介さん(書籍編集者)
前回はWEBの編集者である岡本さん、第4回は書籍編集者の吉田さんがゲスト講師として来てくださいました。吉田さんは三宅さんの「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」、谷頭さんの「ドンキにはなぜペンギンがいるのか」の担当編集をされています。参考図書として紹介されていた本の解説、分析の鋭さにメモをする手が止まらない回でした。
WEB記事と書籍の違いはどこにあるか?
「かかる時間」「かかるお金」→読む人の「時間」と「お金」を奪った分、ちゃんとした満足感がないと売れない。
バズった記事を本にしても売れるわけではない。書籍として最初から最後まで読まれるには、工夫(構成、統一感、展開)が必要。
売れている本は「不安」「好奇心」「安心」の3つのうち、2つは必ずある。
編集者とのコミュニケーション方法
修正方法・踏み込み方のすり合わせをする
編集者もどれくらい指摘していいか不安。事前に原稿に対して「どうやって」「どこまで」指摘を入れていいか伝えてみる(例:「ここはなるべく変えたくないです」「googleドキュメント/wordで赤字をお願いします」)。
「たとえばどんな本がありますか?」と編集者に聞く
類書・ベンチマークにする本を教えてくれる。どういう本を意識したらいいのか、どういう本にしたいのかを編集者と共有する。
目標をできるだけ具体的に共有する
本を出した後に自分はどうなりたいかを宣言しておく(例:新書大賞を獲りたい)。
また、おまけとして、ブックライターのお話もしていただき、存在としてはうっすら認識していたけれど、ほとんど知らない世界のお話だったので、そういった道もあるのかと勉強になりました。
また、講義内で告知されていた三宅さんと吉田さんの神保町でのトークショーにも参加しました。「芸人さんは様々なメディアに出られるし、そこで受け入れられる土壌があるのが強い。作家さんを出版業界全体でサポート、プロデュースするような動きが今後より大切かもしれない」といった旨のことを吉田さんが話されていて、岡本さん同様、書き手の方のことを常に考えていらっしゃる素晴らしい編集者の方なのだなと感じました。
第5回
プロとして生きる
プロのライターとしてデビューできたとして、「原稿は編集者から赤が入るが、プロフィールは誰も指摘してくれません!」とのことで、最終回はプロフィールについての講義でした。
【谷頭さん】
プロフィールは「半虚構」だと思え
人に(クライアント)に「見せたい面」「見せた方がいい面」を「作る」イメージ
まずは「強み」を一つに絞る
特定の強いジャンルを押し出したほうが仕事も来やすい。他にやりたいジャンルがあれば、一つのジャンルで名を成してからやればいい。
一目で「どんな人?」がわかるように
情報は具体的に「何をしている人」なのかがわかるように。最初に重要な情報(肩書きなど)があるとよい。情報を出す順番に気を付ける。
メアド掲載、ポートフォリオへの誘導は重要
プロフィールは入口であり、書きたい情報はポートフォリオでしっかり書けばいい。
【三宅さん】
wantではなくcanを書く場所
「こうなりたい」はプロフィールには書かない(プロではなく見えてしまう)。「これを依頼されたい」をcanとして書く。
「好き」ではなく「得意」を明確に
頼まれたい仕事のジャンルを書く。自分の代表作を載せる。
上記のほかに、第5回では「ブランディングとは?」「仕事を見つけるには」「収入について」についても講師のお二方が解説してくださっています。
講座を終えて
私が今回の講座に参加した動機は、文学フリマに出ようと考えており、どうせ出るならより多くの人に読んでもらえる文章を書けるようになりたい!と思ったからです。この講座を受けたことで、プロであるお二人は何を意識して書いているのか、また、編集者の方は文章のどこに着目されているのか等、ここには書ききれないほど非常に多くのことを学べました。
さらに、プロいくに通ったことで、「書くこと」を仕事にしたいと考えている友人がたくさんできました。とある受講生の一人とは、意気投合して2025年よりエンタメについて語るPodcastを始める予定です!配信開始の際はお知らせしますので私、皆久保ヨリのX(minakubo_yori)のフォローをぜひよろしくお願いします。
講座の感想について別途noteを書いたので、こちらもぜひご覧ください。
最後に、講師のお二人、ゲスト講師のお二人、会場に来てくださった編集者の皆様、本当にありがとうございました! 一緒に仕事ができますよう、精進してまいります!