もう誰のせいにもしない
好きなときに回転寿司を食べに行ったり、好きなだけアイスを買ったりできるのは、大人のいいところだと思う。
自分の意思で、責任で、決められるようになることが、大人になることの一つの意味かもしれないと思う。
27歳。この秋から、私は大学生になることにした。
通信制大学で、心理学を学ぶ。
健康上の理由で、当時通っていた教育系の大学を辞めたときから、いつか絶対に通信制大学に入って大学を卒業するんだと決めていた。
そもそも、私は心理学を学びたかった。
中学生の頃から、学校の先生よりもスクールカウンセラーのお世話になっていて、将来なりたい理想の大人像がスクールカウンセラーの先生だった。
ちょっと心を病んだ中学生だった私は、親、というか母に「大学で心理学を学んで、スクールカウンセラーになりたい」と話した。
でも、母に言われたのは
「なかなか正規の雇用を見つけるのは難しいよ」
「カウンセラーになれるのは、一部の優秀な人だけだよ」
ということ。
子どもって、なんとなく親の望んでいることを察知して、空気を読むものだと思う。
少なくとも私はそうで、その後いろいろあって、親の職業に近い学校の先生を目指すことにした。
教育の勉強をしたことは、よかったと思う。けっこう楽しかった。
先生にはなれなかったけど。
大学を辞めて、実家でお世話になっていたとき、父に
「大学卒業の資格なんて、取らなくても大丈夫だよ」
「通信制大学を卒業することは、すごく難しいし大変だよ」
と言われていて、なんとなく、そうなのかなぁと思っていた。
自分で働いて、暮らして、自分で考えて生活するようになって、決めたこと。
私は、両親を恨んでいるわけではない。
進路を決めるときに心理学部を選ばなかったのを、両親のせいにしたいわけでもない。
今度は、自分で決めた。ということだけ。
資料請求から書類の記入から、編入学の書類の準備、学費の納入まで、当たり前だけど全部自分でやる。
誰に反対されるとか、そういうのは関係なくて、自己責任。
もしかしたら、あのまま親の力を借りて心理学部に入っていても、今みたいな緊張感や覚悟を持って学べなかったかもしれない。
今日は初めて入る喫茶店で一人でナポリタンを食べて、コーヒーをおかわりしながら、本を読んだり大学の勉強をしたりした。
大人になって、よかったなぁと思った。