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愛に始まり愛に終わる 人生を見つめ直す本

瀬戸内寂聴108の言葉
瀬戸内寂聴著 宝島社 2021/5/21出版 2023/2/11読了

「恋愛とは不可抗力です。」

数々の恋愛に没頭し幼い子供の元を離れるほどの不倫も経験した先生だからこそ、深みのあるお言葉。

愛について、生について、情熱について、無常について、老いについて、業について、死について、祈りについて、エッセイや対談・インタビューなどから抜粋したまとめ。

「想像力こそが思いやりであり、思いやりは愛である。愛と苦しみは陸続きなのだ。」

「キリストは“隣人を愛せ”と言いますが、お釈迦様は“愛するな”と言います。」
人間の愛=自分の欲望=渇愛=自己愛

「あげっぱなしの愛が慈悲なんですね。」
慈悲=無償の愛=報酬を求めない愛
これだけやってあげたのに返してくれないというのは我々の煩悩。

「その人の生涯で別れの数が多かったということは、出逢いの数も多かったということができる。」
未来の別れには目を瞑って、人は出逢いの神秘を喜び、出逢いの甘さに酔えばいい。

「つらいときは、思いっきり泣けばいい。悲しみを我慢してはいけません。ただ、うんと泣いた後、ちょっと笑ってほしい。」

「この世で誰かに出逢うことが“生きる”ということなんです。」
出逢った時は良くても、一緒にいる間にいやなこと、苦しいことは必ずあります。
たとえ苦しみや悲しい目に遭うとしてもその人と出逢わないよりはずっとよかった、そう思いませんか。
出逢ったから苦しむ、愛したから悲しい。

「簡単な、誰でも知っていることだけど、実際にはできない。それをやりましょう。」

「文化や昔から伝わっている古典をおろそかにするような国は、必ず滅びます。文化はその国の栄養です。」

「死ぬまで自分を変えることができるんです。性格を変えることができなくても、視点を変えることができる。」
自分の中にある可能性を、死ぬまで可能性があるんだということを、私たちは覚えておきましょう。

「年寄りは見苦しい顔して怒ったらみっともないよね。若い娘が怒ったら綺麗かもしれないけど。」
怒らないことが一番いいことです。

「人間はね、見られると美しくなるんですよ。だから皆さんがきれいになりたいと思ったら、できるだけ人に会うことね。」

「胸につかえている悲しみ苦しみを誰かに言うだけで、心に風穴が通るんですよ。」
息もできなかった胸に隙間ができると、そこに風が入ると、新しい考えが出てくるんですよ。突破口が出てくるのね。

「いつか亡くなる人だから許しなさい。」

「言葉で人を殺すこともあるんですよ。」
「弱者」と言いますけど、いう人には思い上がりがあると思います。

「定命は私たちが生まれたときにすでにあるんですよ。だからね、それには逆らえない。」

「人間が幸福になるとは結局のところ、自由になって心にこだわりを持たなくなって、何ものも畏れなくなることなのね。」
仏教というのは人間の幸福、自由自在な心を得ることを勧め、それを求めるものなのです。

ただ好きな人に囲まれて暖かい家で美味しいものを食べられる生活を幸せだと思っていたのは、流れに乗って自分に向き合うことをしなかったから。
人生は長い。

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