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自然農との出会いがトリガーになって、地方移住を決意したピアニストのこと episode2 【プロの演奏家をめざす決意に至るまで】

突然ですが、皆さんはクラシックピアニストというと
どんなイメージをお持ちですか?

家の環境や才能に恵まれた“選ばれた”ひと?
指が大切だから、包丁は極力つかわないひと?

もちろん、そんな方もいらっしゃいます。
でも、それらはかなり紋切り型のピアニスト像で
わたしの場合、そのどちらにも当てはまりません。

  ただ、ひとつだけ言えるのは、、

人一倍、音楽が好きだったということ。

物心つくまえから…というより、
まだ自力でピアノの椅子に“登れない”ときから
母に家のピアノの椅子に座らせてもらい
かっこよくいうと“即興”で、、
つまり、デタラメだけど本人としては大真面目で、
夢中になって日々“作品”を生み出していました。

(写真は即興演奏中のわたし。2歳のころ)

その並々ならぬピアノへの執念に何かを感じた母は
わたしを普通の幼稚園ではなく、
音楽学校の幼稚科に入れてくれました。

そこではピアノかヴァイオリンの個人レッスンが
必修科目になっていて
そのほかの課業も
リトミックやドイツ音名で答える聴音や
出欠のお返事もミュージカル調でおこなうなど
夢のように楽しいカリキュラムになっているんです。

おまけに、ピアノの通称“パパ先生”がとても優しくて
どんどん曲をすすめてくださるので
嬉しくて嬉しくて、ますますピアノが好きに…☺️

子どもは、何であれ頑張ったことを認めてもらえると
頑張ることが、ある種の悦びになるものなんです

そんなふうに順風満帆に動きだした音楽人生ですが
幼稚科卒業を目前に、はじめての悲報が。。

  父の名古屋への転勤です。

名古屋でも引っ越しをしたので
中学2年で再び仙台に戻るまで
何人もピアノの先生を変わることになりました。

そんななか、わたしの中に変化が…

幼いころは、褒めてくれる先生のおかげで
モチベーションが上がったのに、
今度は先生に褒められることから
焦りを感じるようになったのです

だって、レコード(時代を感じます)を聴いても
ラジオをつけても
聴こえてくるのはわたしよりもずっと上手なピアノ。

それに、学生コンクールで優勝している友人は
わたしよりずっと難しい曲を弾きこなしてる。。

  もっといろいろな曲を学びたい!
  音楽のことをもっともっと学びたい!

この頃、からお小遣いを貯めて楽譜を買ったり
誕生日プレゼントにレコード(もちろんクラシック)を
せがんだり
専門書を買うため、図書券欲しさに音楽雑誌に投稿したり
(年齢が低かったことが幸いして?ほぼ採用された)

  もう、マニアまっしぐら(笑)

ある日、ショパンコンクールのドキュメンタリーを見て
優勝者クリスティアン・ツィメルマンに一目惚れ💕
わたしもぜったいピアニストになる‼︎と
かたく決意したのでした。

不思議なことにそんな時って
「わたしに、なれるかな?」とか
いまの子どものように
「それで食べていけるの?」なんて考えないんです。

 ただ、「なる!」…以上!っていう感じ😅

でもそれは、
好きなだけで楽しい!、というのを卒業して
葛藤や焦りと向き合うことになる始まりでもありました。

名古屋の音楽高校に進学すると決めたていたのに
父の転勤で仙台に戻ることになったり
転勤族あるがゆえ、社宅住まいなこともあって
グランドピアノが買ってもらえなかったり

先生が変わるたび
先生それぞれの指導方針によって
指の使いかたなどの奏法や曲の解釈が異なるので

それまで「こう弾け」と言われてきたことを
「それは間違った弾き方」と指摘され、
基礎の基礎からやり直しになることも…。。

そんななか、ひとつ確かなこととしてみえてきたのは
そろそろアップライトのピアノでは
限界だという事実でした。

いまだからこそ、アップライトでもグランドでも
楽器のポテンシャルを、自分なりに
最大限に生かす弾き方ができるようになりましたが、

ベートーヴェンのソナタやショパンのエチュードを弾くのに
グランドピアノという“キャンバス”があるのとないのとでは
ほり下げのレベルがまるで違ってきてしまうのです。

どうしてもグランドピアノが欲しいと言ってきかないわたしに、
母はある条件を提示しました。それは、、

「テストで学年3番以内に入ったら買ってあげる」

…というものでした。

めっちゃ勉強しました!
それはもう、嬉々として!w

そして、それまで学年どころか、クラスの中でも
3番以内になんて入ったことなかったわたしが
あれよという間に、学年3番に入ったのです。

  執念です(笑)

こうして、念願のグランドピアノライフが始まったのですが
今度は、またさらに大きな壁が
立ちはだかることになります。

  進学の問題です。

音大を目指す前に高校から音楽科に入ったほうがいいのか、
普通高校で、一般教養もきちんと学んだほうが
ゆくゆくの人生が豊かになるのか、、

これはもう、本人の責任において
腹をくくって選ぶしかありません。

特待生で入れてくださるという
仙台の音楽高校もあったのですが

「高校時代は、いろんな価値もっていて、
さまざまな方面に進む友だちと学ぶ環境ですごすほうが、
あなたには向いてると思う」

という母のひとことが、決めてになって
普通高校に進学することにしました。

ものごころついた頃から
ずーっと、その世界にばかり生きてきたので

そのまま、音楽高校で同じ志の仲間に囲まれるよりも
視野が広がることになるのではないか、という
母のお見立ては、今思うと的確だったと思います。

  ただ、、、

仙台から東京の音大を目指すことになったとき
またも、強大な壁にぶちあたることになりました。

それは、それまでの人生最大の逆境であり、

  地方に住むということや
  日本で音楽を学ぶということについて

あとあと、深く考察することになる
きっかけになることでした。

次回、それについてお話したいと思います。

ここまで読んでくださって、
本当にありがとうございました(^人^)

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