就活を終えた私が今がんばっていること。 〜インスタの運用の難しさと自分の成長〜
こんにちは、minakoです。
私はここ最近ずっと、友達の会社を手伝っており、非常に目まぐるしい日々を送っています。
おかげで、1ヶ月ほど前、就活を終え資格の勉強をするために買い込んだ本たちは、今ではもう完全にほったらかされています。
でもここで学ばせてもらっていることは、資格の勉強以上により現実的で面白く、簡単にできそうで、できないような難しいことばかりです。
それだけでなく、自分よりも視座の高い人たちに恵まれながら、始まったばかりの会社をみんなと作り上げていく環境は、私にとって非常に新鮮で刺激的です。
そんな会社で任された最初の業務である、クリエイティブ型のインスタメディアの運用を通して私が学んだことをありのまま綴りました。
普段何気なくインスタを見ているだけでは気づかないような作り手側の話なども入っているので気軽に読んでもらえればと思っています。
初めてのノートで読みづらい部分もあるかと思いますが、最後までお付き合い下さると嬉しいです。
◆『インスタメディアを運用するようになった経緯』
-a. 突然、決まった入社
就活が終わってすぐの時、大々的に就活終わったとも言っていないのに、突然サークルの同期から連絡がきた。
俺の会社に引き抜く
もしくは、私の周りの、筋のいいインスタが出来る子を俺の会社に引き抜きたい。
と。
図々しいラインだな。と思いつつも、コロナで特にやることもなかったので、次の日、とりあえず話だけ聞くことにした。
“うちの会社はなんでもできる”と言ってくれたけど、話を聞いても具体的に何ができるのかまでイメージを掴むことはできなかった。
逆に“何やりたい?”と聞かれても、具体的なビジョンも何も持ち合わせておらず、やりたいことをすぐに言うこともできなかった。
よく分からなかったなりに、立ち上げたばかりの会社で、まだ明確に定まっていない会社であるということは十分伝わってきた。
卒業までの短期間だとしても、スタートアップを手伝える機会は貴重だと思ったし、社会に出る前に勉強するには良い機会だと思った。
何よりここで頑張ることができたら、自分の中で何かが変わるかもしれないと思わせてくれたのが最大の決め手だった。
2時間足らずでこの誘いを引き受ける決心をし、「やるならアルバイトとしてじゃなくてしっかりやらせてください。」と伝えた。
そして、次の日にオフィスに訪れて他のメンバーに会い、正式にジョインすることになった。
-b. 画像のセンスのなさに向き合う日々
オフィスで最初に言われたのは、“こにあ”の運用だった。
最初は“こにあ”と言われて、お酒の名前かなんかにしか思わなかったが、韓国コスメのインスタメディアだった。
その時聞いた概要はこんな感じだった。
・韓国コスメに特化したアカウント
・過去に1万フォロワーを抱えていた
・1万フォロワー獲得後、更新頻度を下げた
・現在のアカウントのフォロワーは8,000人程度
写真を見た方がどんなメディアか理解しやすいと思うので実際の投稿をまずは見てほしい。
最初の60投稿ほどは、上のように1枚の画像を4分割して、商品同士を比較するような投稿していた。
初期の“こにあ”はこのスタイルでファンを獲得してきた。
その後、“こにあ”は4分割ではなく、複数の投稿画像を使って商品を紹介する形にシフトした。
形式を変えても勢いをとどまることを知らず、フォロワーの獲得のペースをさらに加速させていた
私は、そんな“こにあ”のインスタの運用を任されることになった。
今までクリエイティブに関する仕事に関わったことがなかったのに、1から作ることになっていた。
その際、私が行うべき手順はこんな感じだった。
①まとめる商品の選定
②商品の説明を考える
③Photoshopで投稿画像を製作する
④投稿文・タグを考える
その中でも、私が苦労したのは、Photoshopを使いこなすことだった。
操作方法はなんとか身につけることができたのだが、
配置や色のセンスを磨いていくのは、どうにも時間がかかった。
一つ例をあげて見てみると、こんな感じであった。
これは、私が以前の投稿などを参考にしながら自ら作成したものである。
自分的には満足した出来だったので、直しを加えられることはないだろうと思っていた。
ところが、デザイナーさんによって次のように修正された。
1枚目だけを見ている時、私は何がいけないのか気がつかなかったのだが、こうやって見比べると、後者の方がいいのは一目瞭然である。
主な修正点は以下の通りである。
・左寄せと右寄せになっていた文章を中央揃えに
・価格の位置を商品の名前の下に揃える
・カラーの名前の文字を小さくすることによってスッキリさせた印象に
少しの差だけど、全体で見ると完成度が全然違うのである。
この違いを理解するまでにかなり時間がかかった。
今は、インスタ運用の業務が差し支えないレベルに理解しているが、それでもまだまだ分からないことだらけである。
-c. 満を持して、初投稿
こんな苦労を重ねながらも投稿する画像づくりを終え、それを全体に発信する時がやってきた。
これを投稿した時は周囲からどんな反応が返って来るのか楽しみでしょうがなかった。
1週間足らずで、ここまでの画像を作成することができたという自信に満ち溢れていたからだ。
特に以下の点に自信があった。
・全体的にピンク色を使うことでトンマナを統一した
・画像に合わせて文字の改行を行い、文字の配列も右寄り/左寄りにした
・話題性のある商品選定
この画像のクオリティなら、簡単にいいねがつくだろうと高を括っていた。
現実はそう甘くなく、150いいねしかつかなかった。
“こにあ”の1投稿目は300いいね超えているだけに結構悔しかった。
でも、その時は、“調子が出なかっただけ”とか、“直近の投稿もそんなにいいねがついていないし、時流に乗れてないだけ”とかいう風に、自分に思い込ませることで目を背けていた。
むしろ、不慣れだったPhotoshopが多少使えるようになってきて、おしゃれな画像を作り出し、8,000人近くのフォロワーに向かって、発信することにワクワクしていた。
しかし、どんなに自分の満足する画像の投稿を1週間し続けても、フォロワー数は疎か、いいね数・保存数も伸びることはなかった。
私以外のインスタの運用者がフォロワーを伸ばしている中、自分だけが伸び悩んでいると感じたので、次第に焦るようになってきた。
◆『私のインスタが伸びなかった理由』
このような状況になって初めて自分のインスタが伸びない理由に向き合い始めた。
いくつか自分の欠点をみていくと根底に大きな間違いが潜んでいることに気が付いた。
それは、ずばり、“こにあ”というメディアがどういうものなのかを表層的にしか理解できなかったことである。
私は、「“こにあ”がどういうユーザーにささっているか」をはじめとして、
「なぜ4分割の投稿を行っていたのか」
「それがフォロワーのどういうニーズを満たすことができたのか」
「前任者はどのような思いでこのメディアを運用していたのか」
などを全く考えていなかった。
だから、自分なりの"こにあ”の戦略を作り上げるのに時間がかかってしまった。
また、その頃、他のメンバーに「フォロワーを伸ばすためにこれまでにどんな努力をした?」と聞かれた時、私は自信を持って答えられるものがなく、黙り込んでしまった。
その時は、本当に、自分の仕事に対する姿勢の未熟さが悔しかった。
こうした姿勢によって引き起こされたミスは、今残されている投稿からでも読み解くことができる。
◆『私が無意識に起こしていた間違い』
私が今回"こにあ”を作る上で起こしてしまったミスを
根本的な大きなミスを1つと、それに関係する2つの具体例をあげながらみていこうと思う。
◎「分析」をしなかった、過去の怠惰な私
自分の仕事に対する姿勢の間違いに気が付いた時、私はとりあえず過去・現状を調べようと"こにあ”のインスタのインサイトのデータを「分析」することから始めた。
今までなぜ分析をしなかったかというと、心のどこかでプライドが高かった私は、自分の力でどうにか"こにあ”を伸ばしていきたいという思いが多少あったからだ。
過去のデータを活かしてやるというような気概もなかった。
それに加えて、自分でPhotoshopの画像を作るのに忙しいからと言い訳だけをして、面倒臭そうな定量的な分析をすることを避けていたのだ。
自分でフォロワーが増えないという状況をなんとかしなきゃと思えた時、自分でスプレッドシートにあらゆる数字を書き出してみた。
それに加えて、前任者のデザイナーさんから自分の疑問点をぶつけ、回答をもらった。
これらの2つの方法で分析を行うといくつかの発見があった。
・情報としての価値がないものは伸びない
・4分割の投稿のうち、うまく比較されたものは投稿として伸びやすい。
・カタログ型にシフトさせた理由は”こにあ”というメディアを飽きさせないようにするためだった。
・現在は4分割の投稿の方がいいねが伸びやすいそう
・リップやアイシャドウの色味や特徴を言葉で説明するのは難しく、いいね数や保存数が伸びづらい
・上記の問題は、企業が出しているスウォッチの画像を次のページに入れることによって解決される
・すでに人気を得ている商品ほど伸びやすい
・日焼け止めなど日本の市場に入り込む隙がなさそうなものは伸びにくい
・タグは商品名をつけたほうがタグの流入数が伸びやすい(←これはまだ検証段階)
正直、分析からこんなに多くことがわかると思っていなかったし、もう少し早くやればよかったと後悔した。
このなかでも、「情報」と「比較」という二つの切り口でもう少し具体的にみていこう。
1. 「情報」を伝えるという意識の欠如
Photoshopを使いこなせるようになってきた時期は、おしゃれな画像を作ることに夢中になっていた。
上の投稿が顕著に現れている例である。
今でも、画像の見た目という観点のみで考えると、この投稿が一番気に入っている。
ネイルの切り抜きそのものが可愛いし、サムネイルの配置の仕方もおしゃれで好きである。
だから、投稿する前は、これなら前よりも数字を伸ばすことができると本気で思っていた。
ところが、投稿してみると、前2つの投稿のいいね数・保存数を下回っている数字がかえってきた。
それまでは肯定的な視点でこの画像を見ていたが、改めて何がいけなかったのかという視点でこの画像を見ることにした。
すると、2・3枚目の文字数が少なく、余白がかなりあることが気になった。
単純に情報量が少なく、写真しか頭に残らない。
情報を期待してこのメディアを見てくれるフォロワーに対して、ほぼ何も有益なものを提供できていない。
私が投稿していたものは、単なる画像のコラージュに過ぎなかったのだ。
これが1つ目の概要である。
2. 「比較」なき投稿
そもそも最初”こにあ”がフォロワーを伸ばし続けることができたのは、4分割投稿のおかげだった。
4分割投稿は、商品を比較しながら伝えられるという側面がある。
この側面をうまく生かすことができていた、良い投稿例はこれである。
この良いところは、ある程度同じ条件の中で、肌のタイプの違いがわかりやすく書かれているから、これを見た人は自分の肌のタイプに合わせて何色を買えばいいのかが分かる点である。
このように消費者の意思決定に関与できるような投稿こそが、情報としての価値を発揮している良い投稿なのだ。
一方で私の投稿を見て見ると、
オレンジリップかつ夏の新作という条件が揃っている4商品をただ羅列させているだけで、「あとは好みのを勝手に買って」という印象を与えてしまう。
どういう人に対して?、どういう場面で?、どの商品を?、買えばいいのかというものを画像を見てくれた人に伝えきれていない。
画像を見て分かるとおり、この投稿でもまた、保存数6という数字を記録してしまった。
◆『メディアの価値の理解』
これらの失敗を踏まえて、私が作るべきだった”こにあ”は、
・韓国コスメに特化する
・4分割で比較され、違いが分かるような画像を作成する
・リップやアイシャドウの時はスウォッチ画像を入れる
・タグは工夫していく(当面の間は{#商品名}を入れてみる)
だったと分かった。
表層的な理解から、業務レベルに落とし込めるまでの理解に変わった瞬間である。
同時に、すとんと自分の中で腑に落ちた感覚というものが生まれた。
◆実践してみて
以上を踏まえて私が行ったの投稿がこの2つ。
なんとなく分かるだろうが、工夫したところは次のようである。
・商品の効果や特徴をあえて太字にした。
・次の画像に使い方やスウォッチの画像をのせた
・使用感を伝えるメディアではないので、なるべく客観的な情報にした
・(モデリングマスクの方)使用時の手間が、消費者の購買意欲を左右すると思ったので、2枚目に使い方をのせてみた。
・(リップの方)なるべくブランドの認知度を揃えることで他の条件をなるべく揃えるようにした
それぞれのインサイトが次のようである。
↓モデリングマスクの投稿のインサイト
↓リップ比較の投稿のインサイト
もちろん、全盛期の”こにあ”に比べればいいね数・保存数はまだまだだが、ちょっと前の投稿よりも格段にどちらの数値も増やすことができた。
◆『これからの仕事の向き合い方』
最初は、「インスタグラムの運用か、簡単そうだな。」って思いながら仕事をしていたけれど、この仕事を通して学んだことはかなり大きい。
そのなかでも主に3つを最後にまとめて締めくくろうと思う。
1つ目はPhotoshopの作り方からデザインについて学ぶことができたということだ。
先述のように、ほんの1ヶ月でデザインの真髄まで理解したとは思っていないが、今後プレゼン資料などを作る上で、トンマナの統一や配置の仕方の基本などについて活かせる材料は自分の中にしっかり蓄積された。
今までデザインセンスの部分はどこか諦めていたのだが、デザインについて興味を持つようになり、同僚から借りた『ノンデザイナーズ・ブック』を読み耽り、自分でも成長していきたいと思っている。
内容が伴っていないとデザインがどんなによくてもダメなことは承知だったが、内容があってもデザインが伴っていなければ人の心を最終的に動かすことができないということを理解することができたのも経験として大きかった。
2つ目は、ビジネスの基本の”き”を学ぶことができたということだ。
お金を得られるような事業にするためには、相手を喜ばせるものを作らなければならないということを実感として理解するという経験を得られた。
「マーケット・インの発想が求められている」だとか、「顧客のニーズに答えるものを作らなければならない」とかが書かれている教科書の一説をよく目にしていたので、理解したつもりになっていた。
しかも、それを読んでいる時は「そんなの当たり前じゃん。」と思っていた。
しかし、実際の業務から振り返って見ると自分も全然できていなかった。
これは経験した人にしかおそらく分からないだろう。
周りの多くは社会人になってから経験するものであるから、自分は他の人より先に学ぶ機会を得ることができたことは本当に貴重だと思っている。
3つ目が自分で手をきちんと動かさなければならないということである。
最初は面倒だなと思ったとしても、時間をかけるべきところで時間をかけないとどんどん手遅れになってしまうのである。
私の場合、投稿が伸びなかった時、すぐになぜ伸びなかったのかという仮説を立てなかった。
そのことについて、後日周りから指摘された時は、自分の情けなさに落ち込んだものである。
きちんと手を動かすことによって自分なりの発見を得る。それを実際に試してみて、それを周りにアウトプットしていくという大きなサイクルの重要性を学ばせてもらった。
その起点が手を動かして調べることだと理解できた。
以上を私は"こにあ”の運用を通して学ぶことができた。
次は、おそらくマネジメント関係の仕事になってくると思うが、
・自分が考えていることを内容だけでなく、分かりやすさ/伝わりやすさにもこだわってみる
・相手の考えていることや求めていることの把握に努める
・定性的な指導に偏らず、自分で調べた定量的なデータをファクトとして提示して改善を試みる
ということに気をつけて仕事をしていきたいと考えている。
もしこの記事を読んで興味を持ってくれた人は、是非"こにあ"のフォローをよろしくお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
minako