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モチベーションの話。

この間、作曲家である友人に「モチベーションはどこにあるの?」と聞かれた。もちろん音楽をする上でのそれ、の話である。私はうまく答えられず、我ながらトンチンカンな答えを返した。(というか答えにもなっていなかった。)
自分のモチベーションが何なのかを、考えた事がなかったのだ。正確に言えば、自分が日々考えてきた事と、"モチベーション"というのが、結びついていなかった。

ふと考えてみた時に、演奏をするにあたってずっと目的の中にある気持ちがあって、あ、これが私のモチベーションか、と自覚した。それに、最近確かになった事もあって、結論から言うと、私には今、3つのモチベーションの柱 がある。

これらは音楽を生業としている人はたぶん誰でも考えているような事で、もっと言うと、どんな職業の人にも当てはまるような事なので、あえて発表するまでもないとも思うのだけれど、自覚して初めて、"これからの自分"をシンプルに考えられるようになったので、noteしておこうと思う。

1. 共有したい
ちょうど、美味しいお料理を、誰かと「美味しいね。」と言いながら食べるように。
私は偶然にもピアノに出逢い、音楽が私の世界を広げてくれた。人同士の関わりは、お裾分けの連続だ。誰かの経験をお裾分けしてもらって、私が作られていく。私の音楽のお裾分けも、誰かの小さな一部になればいいな、と思う。

私が、教えるという事を本腰を据えてやりだすのが、音大の友人達より遥かに遅れたのも、自分には「共有」が大切で、レッスンがこの「共有」ができる場所であると考えられるまでに時間がかかったからだ。今、レッスンをしていて一番嬉しいのもやっぱり、生徒が間違えずに弾けた時でも、私の言った通りに弾けた時でもなく、この曲のこういうところがステキだよね、面白いよね、という話が一緒にできて、その後に弾いた彼らの音楽が、ずっと生き生きしていた時だ。

2. やっぱり自由になりたい
自己紹介がてら書いた最初のnoteである。これはピアノを弾く上での自分自身の中の願望だ。平たく言えば、もっと上手くなりたい、という、ただそれだけのことだ。


3. 誰かのためになること、できること
去年あたりから、誰かの為になることをするって良いな、私にできる事はなんだろう、と考える事がしばしばあった。そして今回のコロナで、それは私の大事な柱になった。オンラインレッスンを始めたのも、学校が休みになったり、あらゆるイベントが取り止めになり、外にもなかなか出られないという状況が長期的に続き、ストレスの溜まっていくであろう生活の中に、少しでも気分転換や刺激になる場所を作れれば、と思ったからだ。
"誰かのため"を思う事は難しいけれど、音楽が、まずは自分に近い誰かの、役に立てたら嬉しい。

3つ目のモチベーションが加わった時、私の中で何かがくるくる回り出したような感覚があった。
この3つは相互に関係していて、どれかのレベルが上がると、他の2つにも影響するのだ。

モチベーションのありかを考える事は、自分の行動の可能性を広げ、同時に取捨選択していく指針にもなる。

あなたのモチベーションは、どこにありますか?



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