星 美南子/ピアノ弾き

音楽家。2017年頃から奏法を改め、新しい自分の世界を構築中。 日々の学びを言葉にしていきます。 👩https://www.facebook.com/minako.hoshi.5https://www.youtube.com/user/croixdusud0375

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自由になりたい

ピアノ弾きの私は、ステージ上でピアノを弾いているその瞬間自由でありたい、と思っている。それが自分の理想であり、憧れでもある。感覚的にそう思っていたが、ある時はたと思った。 ピアノを弾く上での、自由とはなんだろう?と。 いきなりの余談、しかも少し違う種類の“自由”の話になるけれども、成功するための〇〇!稼ぐための〇〇!みたいな物が巷に溢れているのも、本質的には、沢山の人が自由になりたいと思っているからのような気がする。選択肢がたくさんあったり、生き生きと何かを創造していたり、

    • 〜好きなものを好きなだけあつめてみました〜コンサートへのお誘い

      人が"違う"って愛おしいよね。 フルーティスト・ひろちゃんとそんな話をしたのは、つい先日、このコンサートに向けての合わせをしに、彼女が家に来た時のことだ。 自分ではない誰かが、自分と"違う"ということ。 凸凹がはまるように、自分でいることが、誰かとの関わりの中で生かされることがあること。 そんなことが愛おしく、楽しめるようになってきた、という話だ。 私も彼女も、それぞれ全く別の経験の中で、同じようなことを感じていたらしい。 別々の道を歩いてきて出逢うシンクロニシティ。

      • "フレーズを長く"について考える

        先日、レッスン中に、中学1年生の生徒から質問を受けた。 「"フレーズを長く"とは、どういう事ですか?」  生徒である彼女とは、去年の暮れからの付き合いになる。幼少の頃から、コツコツと誠実に音楽と向き合いながら続けてきたのだろうと思う。今も、ピアノだけに留まらず、あらゆる場面から音楽を楽しんでいる。 昔からコンクールの講評で「フレーズを長くとりましょう。」という指摘を受け、気にしてはいたけれど、それが具体的にどういう事なのか、明確な説明を得たことはなかった、との事だった。

        • ド・レ・ミ の、その先

          私がピアノの演奏を聴く時、その音は、ドレミの羅列で聞こえるものと、ざわざわした何か、濃密な何か、などの響きで聞こえるものに分かれる。 正確には、さすがに長いこと音楽が生活の中心なので、楽音は全てドレミ(音名)で聞こえている。(テレビから聞こえてきた音を何の気なしに音名で口ずさんで、妹から「うわっ、やっぱそういう風に聞こえてるんだね」と言われたりした。音楽家あるあるだろう。) ただ、ドレミという音として鳴らされているなぁという印象を受ける演奏と、ドレミから離れて、自然の音や

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          あらためて、、 何百年も受け継がれてきた"名曲"と向き合って、その音楽と溶け合うために、あーでもない、こーでもない、と試行錯誤している時間が楽しすぎる、、! 名曲中の名曲は、その音がすっぽりハマった!と思える響きとそのタイミングが、必ず用意されている。と、感じています。

          あらためて、、 何百年も受け継がれてきた"名曲"と向き合って、その音楽と溶け合うために、あーでもない、こーでもない、と試行錯誤している時間が楽しすぎる、、! 名曲中の名曲は、その音がすっぽりハマった!と思える響きとそのタイミングが、必ず用意されている。と、感じています。

          コントラストを操る

          コントラスト【contrast】 ① 対比。対照。 ② 絵画やテレビ・写真などの画像の、明暗の差や色彩の対比。                〜大辞林より〜 雲と空。花と緑。横断歩道。カフェラテの層。 少し周りを見渡してみても、強弱の差はあれど、コントラストの美しい物で溢れている。人工物であれ、自然物であれ、人間はコントラストのある物が好きだ。 音楽においてもまた然り。 コントラストのない音楽は、つまらない。 ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎

          コントラストを操る

          下部雑音の鳴らない音の確かめ方

          あるコンサートで"その音"を聴いた瞬間、心と耳が震えた。私が弾くピアノの音より、100倍ウェットで、濃密で、まるでサテン生地のような音。 この音が欲しいと思った。その音に比べたら、私がピアノから出せる音なんて、薄っぺらで、パラパラ乾いた、お米みたいな音だと思った。 そして、それ以来その音の虜になった。 昔から「綺麗な音」と言われることはあったし、パワーでバリバリ弾くタイプ、というのとも違ったと思うけれど、深みのある音やウェットな音が出せない事が不満だった。どうしてもサラ

          下部雑音の鳴らない音の確かめ方

          モチベーションの話。

          この間、作曲家である友人に「モチベーションはどこにあるの?」と聞かれた。もちろん音楽をする上でのそれ、の話である。私はうまく答えられず、我ながらトンチンカンな答えを返した。(というか答えにもなっていなかった。) 自分のモチベーションが何なのかを、考えた事がなかったのだ。正確に言えば、自分が日々考えてきた事と、"モチベーション"というのが、結びついていなかった。 ふと考えてみた時に、演奏をするにあたってずっと目的の中にある気持ちがあって、あ、これが私のモチベーションか、と自覚

          モチベーションの話。

          コミュニケーションのあるところ

          人が2人以上で一緒に何かをする時、そこにはコミュニケーションが生まれる。会話はもちろん、向かい合ってするゲームや、スポーツでもそうだろう。 よく考えれば不思議なことだけれど、言葉を使わなくとも、アイコンタクトや空気感、相手と共有した時間からくる経験をも使って、私たちは日々誰かとコミュニケーションをとっている。 以前、『ボールルームへようこそ』というアニメにハマっていた。 主人公は中学生の男の子で、競技ダンス(競技としての社交ダンス)に出逢い、男性のリード、女性のフォローとい

          コミュニケーションのあるところ

          音を混ぜる

          ピアノを教えるにあたって、私にはどうしても伝えきれず、もどかしい思いをするポイントが2つある。 1つは、自分の身体のどこにどれだけの力が入っているか、あるいは入っていないかを示すこと。サーモグラフィーのように私の身体の色が変わって目に見えればいいのにと思うことがしばしばだ。思いつく限り、ピアノを弾く以外の動作に置き換えて伝えることが多い。(そういえば、ある程度の年齢になっても、ボールが投げられない、遠くに飛ばせないと言う子供が意外に多い事に驚いている。田舎で外を走り回る自然

          ピアノって言ったら

          ピアノをやっていると言うと、よく言われるのが “右手と左手別々に動かすって言うのがねー。” (難しいよね、大変だよね) 古今東西、老若男女、ほとんどの人にとって逆利き手を自由に使うのは至難の技だ。 私は右利きで、やはり演奏の上で左手がどうにも思うようにいっていないなと感じていた。そんな時に見つけたのが、ルドルフ・ガンツの対称的練習法に基づいたエクササイズである。・・というとなんだか難しそうに聞こえるけれど、やり方さえわかれば5、6歳でもハマる子がいるし、使う指を2、3本

          ピアノって言ったら