セルフブランディングってどうやるの? #人生に効く昔話の処方箋
高校時代、「私は怖く見られますが、本当は優しい人です」と自己紹介した友人に対して
塾の先生が「自分が優しいと思ってるだけで、他人があなたを怖いというなら、あなたは怖い人です」とバッサリ斬ったことがある。ゾクっとした。
セルフイメージと他人が見ている自分のイメージの間に流れる暗くて深〜い河。
じゃあ、どーすりゃいいのさ??
全国に伝わる昔話「舌切り雀」。
意地悪なお婆さんに舌を切られて竹やぶの奥に逃げた雀を優しいお爺さんが探しに出かけ、雀から土産に「大きいつづらと小さいつづらのどちらがいいか?」と訊かれ小さいつづらを持ち帰ったらお宝たくさん。それを真似て雀を訪ねた婆さんの選んだ大きなつづらは、ガラクタや化け物が入っていて殺されちゃった、というお話。
優しいお爺さんと意地悪なお婆さんの行いの対比が凄い。
雀に自分のご飯をやって可愛がるお爺さんと
雀の舌を切って追い出すお婆さん。
雀を探す過程でも
雀の行き先を教えてくれた者たちの言うことをきくお爺さんと
無視するお婆さん。
昔話は、物も人も奥行きがあるように語らない。現実の人間は、1人の中に優しい面や意地悪な面、様々な性質が複雑に絡み合ってるが、昔話では例えば、優しいお爺さんと意地悪なお婆さんの2人に優しさと意地悪さが分け与えられている。
精神的なことも、複雑な感情表現では語らず、行動で語る。
これは口伝えの話を耳から聞くという伝承の過程で整えられた昔話の語り口のひとつだけれど
人が他人を咄嗟に判断するのは、複雑な沢山の要素からではなく、特徴的ないくつかの行動によるのものだ、ということを示しているんじゃないかな。
女性の車道側を歩き、店のドアを開ける男性は
たとえ、単に親に言われた通りやっているだけだとしても「ジェントルマン」と言われる。
「コツコツ型なので毎日ゴミ拾いします!」と言っても1日坊主だったら、「続かない人」と思われる。
誰しも複雑な自分のことを
他人に判断されて「違う!私はそんなんじゃない」って思うんだけど
みんな、自分の物語を生きるのに忙しくて暇じゃないから
昔話と同じく、行動で判断するんだよね。
だから
「優しいお婆さん」でありたいなら
優しい行動を。
「元気な人」でありたいなら
元気な行動を。
最初のセルフブランディングから、ギャップ萌えを狙うのは100年早い。
行動によって、性格の輪郭がくっきりした後での意外な行動、ギャップ萌えは上級編。
とりあえず
自分のありたい自分であるためには
「行動」。
どんな行動が、自分らしさを打ち出すのか
考えて、動け。
…って、雀も言ってたよ!
行動、ね。
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