受け取り上手になる練習のすえに
小さい頃から誰かに何かをあげるのは好きで、得意だったけれど、受け取るのがあまり上手じゃなかった。
幼稚園児の時、一緒に遊ぶ小さい子みんなにジュースをおごって、親に怒られた。
中学生の時、初めてのデートでランチをご馳走してくれるという申し出を断り、不穏な空気になった。
褒め言葉もなかなか素直に受け取れず、「いやいやいや、そんな事ありません」と頭から否定していた。
恩師のマスールから「受け取ることもプレゼントなのよ」と度々声をかけられもした。
歳をとって、よくない出来事も沢山受け取らざるを得なくなり、結果的によいことも受け取れるようになった。勿論、受け取る練習の成果もあるのだろうけれど。
褒め言葉に「ありがとう」と応える時のぎこちなさを残しつつ
よいものもよくないものも、よくわからないものも受け取れるようになった。
そうなってみると
何やら色んなものを運んでくる
魔女の宅急便が度々届く。
今は、受け取ったら、自分が誰かに何かを手渡す糧になるとわかって来たから、さらさらっと受取のサインをする。
ことばもモノも気持ちもお金も命も受け取って、
次に回すものなんだなと肚落ちしたら
だいぶ受け取り上手になってきたみたい。
だから
いいよ、いつでも
素敵なもの送り付けて。