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“お局”は立候補制かもしれない。

あのころ意味がわからんと、笑ってしまったその言葉。今ならわかるよその言葉。
・腰の肉
・22時で眠い
・いつの筋肉痛かわからない
・顔の輪郭がぼやける
・アイドルの顔の区別がつかない
・重力を感じる

10年後にはさらにわかりみワードが増えているんだろう。
でも語彙が増えていいじゃないか、なんて思えるほど私は成熟していません。わかりたくなかった現象たちに可能な限り抗って、抵抗の成果を出してみようと毎日YouTuberと腹筋している今日この頃です39才になりました皆さんごきげんいかが。

さて、数々のわかりみのほかに、ひとつ大きな発見をしたので今日はそのことを書きたい。それは
“おばちゃん”とは、ロールプレイングだ
ということ。

おしゃべりで、元気で、明るくて、声が大きくて、おせっかいで、よく笑い、おやつが好きで、おすそ分けが好きで、噂好きで、よく目がついて、心配するとほっとけなくて、ちょっと図々しくて、あけすけで、感動しやすい。

いわゆる一般的な“おばちゃん”の特徴はこんなところだろうか。コミュニティに必ず何人かいて、ある年代になると“自然発生的に”生まれるおばちゃん。

しかしほんとに“自然発生”しているんだろうか?

もちろん元々のキャラがおばちゃんぽくて、若い時からそういうポジションにいる人も一定数いるし、加齢による精神的余裕からこうしたおばちゃん要素が出てくる部分もあると思う。
でも、それ以外の多くのおばちゃんは
「私がそういう役回りにならないと」
という空気読みをベースに形成されてるんじゃないかと思うのだ。

たとえばどこの職場でもいわゆる“お局”的な女性がいることが多いけど、彼女たちはお局になりたくてなっているというよりは「やっぱこのメンバーの中だと私がその役割やらないとね」という思いで、細かい注意をしたり悩みごとをきいたり、差し入れをしたりという気遣いをしてるのかもしれない。

また、おばちゃんとはそういうものだ、という世の中のステレオタイプもあいまって、若者がやれば普通に扱われることも、上の年齢の女性がやるとやたらお局扱いされる“冤罪お局”が存在すると、テレビで光浦靖子さんが言ってて、それめっちゃわかる!と思った。

つまり職場におけるお局の形成は、多くの場合“立候補お局”であって
おばちゃん的な振舞いをロールプレイングとしてやっている可能性が高いと思う。

というのも今自分がそういう立場になって、「きっとあの頃の◯◯さんはこういう気持ちで“おばちゃん”をやってたんだろうなぁ」というのがよくわかったのだ。
コミュニティの人間関係を良くしたい
若手に育って欲しい
精神的なケアをしてあげたい
場の雰囲気を明るくしたい
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そんな思いでおばちゃんのロールを自らかって出たんじゃないかなぁ。

そう、おばちゃんは優しいのである。
誰に頼まれたのでもなくこのようなポジションに収まり、ときに煙たがられたり揶揄われたりもしながら、今日も重要な役割を果たすのです。
※そしてここにはジェンダーバイアス的な話も大いにあるのが気にならなくもないけど、今回はあるべき論を語るつもりはないので書かないでおく。

だから皆さん、身近にいるおばちゃんにちょっとだけ感謝して、彼女たちの優しさに気付いてあげてほしい。そこにはきっとそれぞれのアナザーストーリーがあるはずなのです(そんなドラマチックな話なのかこれ)。


前に職場の後輩に「オレ、会社の母ちゃんだと思ってるんで!」と言われて、「ふざけんな、せめて姉ちゃんって言え!」って返したけど、まぁ少しでも良き“お局”となれているなら本望です。
(嘘ですやっぱり不満!)

そんな30代最後の年、どうぞよろしくお願いします。

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