福岡の街が2022年からどう変わっていくのかを簡単に解説します
福岡市に暮らす者として、福岡市で働く者として、2022年からこの街に起こる変化がとても楽しみです。もちろんこれまでも福岡の街は成長し続けてきましたが、今後はその成長の傾きがさらに上昇すると思っています。
そもそも、ほんの百年ちょっと前まで九州の中心は熊本市であり、その後北九州市が急成長。福岡市が九州最大の都市になったのはつい最近のこと。
それが今や、人口は「市」でいうと全国5位、住みたい街ランキングみたいな様々な調査でも常に上位に入る街に成長。
「なぜなのか?」は様々な人が考察しているのでこの記事では割愛。
むしろ、「いま福岡の街全体の課題は何なのか?」について触れたいと思います。
1. 人口増えすぎ問題の解決
ちょっと古いデータですが、福岡市の人口の推移はこんな感じです。
人口減少社会に転じている現在においても年間1万人ずつくらい増えている状態。「コンパクトシティ」と称される福岡市は職住遊が近接する魅力があるものの、そのぶんエリアとしては比較的狭く、そこに1万人ずつ増えているので、商業施設や道路が混雑したり、物価(特に土地の値段)が急激に上がっていたり、小学校がキャパオーバーになったり、都心部を中心に人口過密問題が発生しています。
そのため、「人口や人流の分散化」が今の福岡市の重要なキーワードだと思っています。天神〜博多エリアに集中しがちな人流を、分散させる可能性があるプロジェクト例を紹介します。
◉ ららぽーと福岡
2022年4月、博多駅から1駅+徒歩9分という場所に、ららぽーと福岡ができます。商業施設はもちろんのこと、キッザニアやスポーツ施設(200mトラックも有り)も併設する、大規模な複合施設。人流が集中するエリアから少し外れるため、中心部の混雑緩和につながる可能性もあります。
◉ 福岡空港(複合施設)
少し計画が延長になっているようですが、福岡空港にも複合施設ができます。旅行客はもちろんのこと、旅行目的ではない方も、天神や博多に行くのと同じように、食事やショッピングを楽しむために福岡空港を訪れるようになっていくと思います。2019年に民営化した際に、シンガポールのチャンギ空港も座組みに含まれていたので、チャンギ空港のようになっていくかもしれませんね。
◉ FUKUOKA Smart EAST(九州大学箱崎キャンパス跡地)
大学のキャンパス跡地という広大な敷地に、住居や商業施設など、ゼロから街をつくるプロジェクトが始まります。まだ詳細は決まっていない部分が多いと思いますが、このプロジェクトも分散化の一助になると考えています。
2. 市内の観光スポット無さすぎ問題の解決
福岡市民あるあるですが、同僚や友人などが福岡に来て「おすすめの観光スポット教えて」と聞かれて困るケースが多いようです。
回答例
・太宰府天満宮! (福岡市じゃない...)
・糸島! (車じゃないと行けない...)
・福岡タワー! (自分は行ったことないけど...)
・うまいもの食べるべし! (観光スポットじゃない...)
みたいな感じですよね。
そう、福岡市内の観光スポットって、地元の人もあまり知らないんですよね。
でも最近は福岡市役所の観光部門を中心に、「博多旧市街」など市内の観光を活性化させるための動きがあります。
博多は大昔から港町として栄えて歴史が古く、大陸から入ってきた文化も多い。神社仏閣の数は、京都市に次ぐくらいの多さだったと記憶しています。
うどん、そば、まんじゅうも博多が発祥なんですよ。(諸説あります)
↑饅頭発祥の石碑。
これらは「博多旧市街」と呼ばれるエリアにあり、TOPの写真も博多旧市街の承天寺のもの。(写真提供:福岡市)
そのような歴史・文化施設に加え、屋台などグルメスポット、商業施設など市内観光の回遊性を高めるために、2022年度中に地下鉄七隈線が延伸します。
◉ 地下鉄七隈線「櫛田神社前」駅
延伸に伴い新設される中間駅は「櫛田神社前」駅という名称に決まり、櫛田神社前駅〜祇園駅周辺の博多旧市街を楽しみやすくなります。
◉ シェアリングモビリティ
さらに回遊性を高める機能としても期待されているのが、自転車や電動キックボードといったシェアリングモビリティです。
中心部はほぼ平坦なのでこのようなモビリティでの移動がしやすいのです。
ChariChariさん
mobbyさん
こんな感じで、市内の観光も盛り上がってくると思います。
九州新幹線の西九州ルート開通や、福岡空港第二滑走路など、国内外から九州を訪れる人は増えてくると思うので、福岡市内も観光による経済活性化が期待できます。
◉ 世界水泳
その先駆けとして、2022年5月に世界水泳 福岡が開催されます。コロナの状況によっては、(安全性を優先した上で)多くの方が福岡を訪れるかもしれないので、ぜひ観光も楽しんでほしいなと思います。
このように、福岡の街は成長し続けており、成長によって生じた課題を解決しながらさらに成長していくことが期待されています。
さらに、アジアのリーダー都市を目指し、G7の誘致や国際金融都市構想などが進んでいます。
天神ビッグバンや博多コネクティッドといった中心部の再開発も進み、働く場所としての魅力も向上します。
いち市民として、そのような変化や成長を楽しみにしつつ、LINE Fukuoka DX・Smart Cityセンター長として、どのように貢献していくかを色々考え中です。
それについては、また今後お話しします。