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この1年間で、キャッシュレスはどこまで進んだのか(後編)

これまでのダイジェスト

■福岡市のキャッシュレス公募採択、包括連携協定締結などにより、福岡市×LINEの連携を強化。自治体の事業としてキャッシュレス化を推進
■①福岡市でLINE Payが使える場所や市民の利用を促進、②さらに便利な体験づくり、という2軸で戦略を設計
■上記①は、「市民の日常生活」「観光」というシーンに着目し、使える場所を拡大。大学生をはじめとする市民向けのセミナーも多く実施
■上記②は、事前注文・事前決済を可能とするチャットボットを開発し、「並ぶ必要のないフードコート」を実現。

前編、中編の記事はコチラ。

ターニングポイントはPayPayの100億円キャンペーン

メディアの取材を受けていると、「PayPayへの勝算はあるのか?」という質問をよく受けるのですが、現状はまだ、勝敗を決めるようなタイミングではないと考えています。
まだまだ市場はブルーオーシャンが広がっているのにも関わらず、狭い海域で領土を争っていても仕方ありません。

余談ですが、私のキャリアのスタートは「リクナビの新規開拓営業」で、マイナビ等の競合サイトからのリプレイスをミッションとしていました。その後SUUMOなど別事業に異動したあとも、(良い意味で)競合への対抗意識をエネルギー源としていました。
ゆえに、現在の仕事においても当初は競合に勝つことばかりに目を向けていましたが、あまりに大きなブルーオーシャンを目の前に、それがいかに無駄な考えであることかを思い知らされたのでした。

その象徴的な出来事が、2018年12月のPayPayの100億円キャンペーンです。これは平成の日本企業のマーケティングの中でも後世に残る成功事例といえるほどの強烈なインパクトでした。
100億円という金額のインパクトに加え、消費意欲があがる時期、家電量販店へのリソース一極集中といった、見事な内容。

これによってLINE Payは一気に形勢逆転されてしまうのか?

いや、そうはなりませんでした。逆に、LINE Payも勢いづいたのです。日時でモニタリングしているデータを見て、かつてない数値の跳ね上がり方をしていました。

要は、競合にシェアを奪われたのではなく、市場が拡大したのです。
この現象を私はよくオセロに例えて話しをするのですが、まさにオセロの序盤戦のように、白と黒が共に領土を拡大していき、その中で小さく、引っくり返したり、引っくり返されたりしている状態です。
だからこれからしばらくは、PayPay、楽天ペイ、メルペイなど各社と共に市場をつくっていくことが大事なのです。


日本一キャッシュレスが進んでいる街は、
日本一キャッシュレスの共創が進んでいる街だった

「福岡市は日本で一番キャッシュレス化が進んでいる」
誰が言い始めたのか定かではないが、ここ最近よく聞くフレーズです。そう言われるようになった理由を、私はこう分析しました。

(1)自治体
・市がハブとなり、公共施設や民間企業のキャッシュレス化を推進
・委員会を設立し、決済事業者を集めて3ヶ月に1回、会議を開催
・市が主催のイベント「キャッシュレスFUKUOKAフェア」を年1回開催
・2019年6月のG20に向けてFintech強化策を積極的に実施中
(2)決済事業者
・市の公募事業に計25社がエントリー
・各社、地方都市随一の営業体制
(3)市民
・もともとITなど新しいサービスへの受容性が強い県民性
・比較的、人口分布が若い(スマホ世代の比率が高い)

このように、
市と決済事業者が協力して使える場所を拡大したり、
決済事業者どうしで市のキャッシュレス化に向けた策を話し合ったり、
決済事業者と市民でセミナー・イベントを実施したり、
キャッシュレス化に向けた“共創”が多く行われているので、街全体が「キャッシュレス化していこう」という空気感が徐々に形成されていて、「福岡市=キャッシュレス化が進んでいる」というイメージにつながっているのではないでしょうか。

以下、LINE Fukuokaが関わっている共創事例をいくつかご紹介します。

共創事例① キャッシュレスFUKUOKA(委員会)

福岡市、商工会議所、決済事業者などによって形成されており、3ヶ月に1度程度集まって色々話し合っています。
↓参加企業はコチラ


共創事例② 大学とのコラボ

九州大学 芸術工学部の授業「キャッシュレスのデザイン」に協力。

西南学院大学 ベンチャーサークルの活動に協力。


共創事例③ 企業とのコラボ

キャッシュレスに限らず、“スマートシティ”というテーマで、福岡の各企業の皆様と、共創に向けた交流をさせていただいています。


LINE Payの成長率はこの1年で2,110%

この記事の前編でお話しした、経済産業省のキャッシュレス・ビジョンのアップデートを受けて、福岡市のキャッシュレス公募がスタートした昨年5月から丸一年が経ちました。
当初は福岡市動物園などでもなかなか決済数が伸びなかった実情も書きましたが、ここまでご紹介した様々な取組み等を通じて現在では2,110%という成長を遂げています。
みなさんのまわりでも、1年前と比べて使える場所や使っている人が増えてきてませんか?

(再々掲)
このnoteは、私たちLINE、特にLINE Fukuokaがどのように福岡市のキャッシュレス化を推進してきたかを振り返ることにより、たった1年間で起きた大きな変化の波を皆さんに感じていただきたい。そしてその波に乗ってみたい、と思っていただくことを目的に書いています。

4月に実施した、「平成最後の超Payトク祭」は終わってしまいましたが、福岡の皆さんに波に乗っていただくためのおトクで便利な情報を3点ご紹介しておきます。

①初めての銀行口座連携・チャージ1,000円以上で500円相当プレゼント

②福岡限定300円クーポン(5月分)

キャナルシティなど福岡地所系の商業施設も対象となりました。

③自動車税はコンビニに行かずに納付書のバーコードからLINE Pay支払い


以上、「この1年間で、キャッシュレスはどこまで進んだのか」というテーマで長々と記事を書きましたがいかがでしたでしょうか。
感想・ご意見などいただけると嬉しいです。

なかなかデリケートな部分も多く、過去記事の寄せ集めのような浅い内容になっていたらごめんなさい。
少しでも、キャッシュレス化の後押しになれたら幸いです。


最後に定番(?)、求人のご案内です。


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