【水色日記】あの街の桜とメンチカツ
───んぁ。
カーテンの隙間から差し込む光で目覚めた朝。あぁ、もう感覚的にわかる。昨晩眺めながら寝落ちして枕元に転がったiPhoneを拾い上げて覗き込むと、映し出された時刻は十時少し前。やっぱりだ。そう、寝坊した。アラームの音が全く聞こえなかった自分の爆睡っぷりにやり場のないやるせなさを抱えて急いで支度する。とりあえず8枚切りの食パンをトースターにねじ込み、おとといから部屋に干しっぱなしのTシャツを手に取りそそくさと着替える。一通り支度を終え、食パンが焼き上がるのを待ってい