倒産法百選判例#4 「支払停止」
割引あり
1. 判例解説
【判例タイトル】 No.4「支払停止」
【判例番号】 福岡高裁 昭和52年10月12日決定
【事件概要】
債務者Xが取引先への支払いを長期間滞らせ、複数の債権者から破産手続の申立てがなされました。争点は、Xの状況が「支払停止」に該当するかどうかです。
1-1. 支払停止の定義(★要暗記)
「支払停止とは、債務者が弁済資金の融通がつかないために、一般的かつ継続的に債務を弁済できない旨を、明示または黙示的に表明する主観的な態度を指す。」
これは暗記をしないと絶対におぼえられないのでおぼえるしかない!
1-2. 問題となったところ
破産法第15条第1項では、破産手続開始のために支払不能が必要です。しかしその立証は容易ではない。そこで、同法第15条第2項では、支払停止が認められた場合に支払不能が推定されると定められています。しかし、支払停止については法文上の定義が存在せず、本決定の定義が通説となっています。
2. ショート問題
【問題】
A社は主要取引先への支払いを3か月前から滞らせ、期限が到来した債務についても支払う意思を示していません。複数の債権者からの督促に応答せず、新たな資金調達の見込みも立っていない状況です。このような状況において、A社に対して破産手続開始ができるか。
【解答例】
ここから先は
866字
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?