分からないことの聞き方について。あるいは確認の仕方について。
多くの新入職員や、異動先の部署の人、あるいは学校の先輩とかにも言われたことがあるかもしれないし、逆の立場で言ったこともあるかもしれない言葉。
「分からなかったら何でも聞いていいよ」
この言葉、難しいですよね。
何回も聞いていたら、「何回も言わせないでくれる?」と言ってくる人。
かといって、聞かずにやったら、「なんで聞かずに勝手なことしてるの?」と言ってくる人。
やたら忙しそうにしていて、こちらから聞きにくい雰囲気を出している人。
こういう人はたくさんいます。
理不尽だなと思いますけど、そう思っていても、教える側の立場にいざなると、
ついつい、こういう反応をしてしまうことも多々あります。
聞く側の心がけについて
そういう時に、私はちょっとクッション言葉を使って話し始めるようにしています。
そして、その言葉を、状況に応じて使い分けています。
自分が全く知らないことの場合(理解度0%)
この時は、聞く側は怖いものなしです。
言ってくれない相手が悪い、くらいの気持ちで大丈夫です。
教えるのがあなたの仕事であって、私が知らないことはあなたが責任を放棄している、とみなしていいんですよね?
とまで思っています。がんがん聞きましょう。
よっぽど変な人じゃない限り教えてくれると思います。
ただまあ教える側にも都合とかあると思うので、
「お時間のある時に、〇〇について教えていただきたいんですけど~」
と声掛けをすれば大丈夫です。
自分がちょっと聞いたけど分からない場合(理解度1~10%)
このあたりからちょっと注意が必要です。
人によっては「前も言ったよね」とか、「メモとってなかったの?」とか言ってきます。
そうだよね、全部メモ取るの大変だもんね、少しくらいなら覚えられると思ったよね、やってみたら思ったのと違ったよね、次からは気をつけようね、
なんて気遣ってくれる人は少し減ってきます。
なのでそんな時には、
「すいません、前に聞いたんですけど、ちょっと分からなくなったので、もう一度教えてもらっていいですか?」
と聞きましょう。
仏の顔も三度までなので、さすがに何回も聞きそうなら、メモをとるように心がけましょう。
自分でやってみてわからなくなった場合(理解度20~50%)
このときに、聞く側もちょっと考えなければいけません。
ここで、上記のような「もう一度教えてもらっていいですか?」みたいな聞き方をすると、
教える側は「一からか?一から説明しないとだめか?」とよつばになります。
なので、このくらいの時は、
「ここまでは、こういう理解であっていますか? そしてその次が分からなくなったんですけど」
みたいな話し方をすると、「ここまでは分かってくれたんだな」と一定の努力を認めてくれるので、
気をよくして教えてくれると思います。
とりあえず、最後までできそうな場合(理解度50~80%)
簡単な仕事量なら、外に出ない部分まで作って、確認してもらう、で大丈夫です。
多めの仕事量なら、区切りのいいところで、
データをチェックしてもらったり、間違いがないか確認してもらったりしたほうがいいと思います。
実は理解が間違っていて別な方向に進んでいたり、教える側が全部を教え切れていないこともあったりします。
なので、「ここまではやってみたので、お時間のある時に確認をお願いしていいですか?」
みたいな声の掛け方をしています。
一通りやってできた場合、2回目など(理解度80~100%)
さあ、ここまであなたはきちんと仕事をこなせてきました。
じゃあもう一人立ちですね。
・・・とは決して思ってはいけません。
あなたは本当に全部を理解しましたが?
例外的なものは本当に存在しないですか?
教える側は時間もないから要点だけ教えて、次回だけの事例は教えてない可能性はないですか?
自分で判断して間違えれば、それは自分だけの責任ですが、
確認してもらって間違えれば、それは確認した側にも責任はあります。
ここで自分が完璧に理解したと思って、分かっているから聞かなかったとしても、
実は間違ったことをしていて、後で、
「なんで分からないのに聞かないんだ」と言われることもあります。
いわゆるダニング・クルーガー効果の「馬鹿の山」の状態です。
分かった気になるって怖いですね。
自信があっても、「次もこんな風に作成したので見てもらっていいですか?」などと、できるだけ確認してもらうようにしましょう。
また、自分なりに整理していくと、ちょっと判断に迷う微妙な案件も出てくると思います。
そういう時も、「こう教わったと思うんですけど、その基準だと、こういう場合は微妙ですが、どうしたらいいですか?」
ときちんと、自分がどこまで分かっているか、どこが分からないのかを明確にして伝えるようにしましょう。
教える側の心がけについて
という聞く側の心がけについては、個人的に経験してきて理論立てていることなので、
これを読んでいる方の教える対象が理解して実践していることではありません。
なので、これを読んで、「なんでそういう聞き方をしないんだよ」と怒るのは筋違いで、
「そもそもの聞き方を教えてあげる」か「何回も聞いてきて、それに答えてあげる」というのが普通の対応になります。
このあたりは、難しいところですが、
こういういろんな人に何回も説明しないといけないような仕事って、
さっさとマニュアル作って、これ読んで分からなかったら聞いて、って言ったほうが、
トータルで速いし均質化できるし経験も積み重ねられるのでいいのでは?
と思っちゃいます。
そんな時間や仕事量をなんで自分が払わなきゃいけないんだ、
と思うのも理解はできますので、強制はしないですけど。
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