美味は手軽な幸福である
ここ最近食欲がなかった。
正確に言えば「美味しいものが食べたい」という欲求が強くて、空腹を満たすためだけの適当な食事に飽きていた。
これがまた結構厄介で、それでも一応好きなものは食べていたのだけどそれ以上に、要するに大好物が食べたくてしょうがなくて、それ以外を食べてもなんだか満たされなかった。空腹はおさまるのに満たされない感じがどうにも気持ち悪くて、どうしたものかと思っていた。
とりあえず醤油ラーメンを食べに行ったのだが醤油ラーメンではダメだったらしい。2件別のラーメン屋に行ったが食べている最中何か違うコレ感がすごくて美味いか否かで言ったら否だった。
最近月末でお金がなかったのもあって我慢していたのだが、もうこれは何か美味しいものを食べなければ精神的に死んでしまうと思って、久しぶりになめろうと作ろうとスーパーへ行った。
なめろうが好きなのである。ていうか刺身が食いたい気持ちがあって、できれば寿司が食いたかったのだが近くに回転ずしとかもなかったのでなめろうを選んだ。
多分なめろうでも満たされたとは思う。ある程度だけど。
だがスーパーでレジに向かう途中私は見つけたのである。私を満たしてくれる食事を。
冷やし中華を。
冷やし中華は多分私の中でずば抜けて大好物で一日三食冷やし中華でもいいくらい好きである。
というわけで冷やし中華をまとめ買いした。
ごまだれでも醤油だれでもどちらも好きなのでどちらも買った。
私が好きなメーカーのやつは一袋三人前なのだが、晩御飯に三人前全部平らげてしまった。
なんか食べても食べても冷やし中華への欲求が満たされなくて結局追加で茹でてこう。もぐもぐと。
久しぶりに一度に大量に食べたしそれでもその後気持ち悪くなったりせず私の気分は上がっていた。ちなみに人生で一番食べたときは一度に五人前食った。
腹が満たされるだけでは幸せにはなれないらしい。
美味なるもの、自分の大好物を頬張ることで得られる幸せは自分が思っているよりも多大で、空腹という肉体的なもの以外、精神面も満たしてくれるらしい。
今後は定期的に自分の大好物を食べていこうと思う。これからの季節はとりあえず冷やし中華で。