YUKIと出会う、必然という偶然



わたしがYUKIと出会ったのはいつだったんだろう。


幼いころ車でかかっていたジュディマリの「そばかす」を聴いたとき?

「JOY」「長い夢」「キスをしようよ」でどこまでも魅惑的な彼女を知った時?

それとも大学生になって、初めてコンサートに行くことができてアリーナ中央のステージから彼女が現れたときの、あの衝撃と溢れる涙の記憶が、最初の出会いだったのだろうか。



YUKIの音楽はずっと優しい。
”だいじょうぶだよ”と相手を、自分を、認めてくれるような、まるごと包んでくれるような音楽。わたしも何度も何度も慰めてもらったし、勇気をもらった。


大学1年生の頃、初めて一人暮らしをして、付き合った男のひとの家にいったりきたり、うれしくなったり悲しくなったり、学生特有のあの気怠くて甘い空気をあじわっていたころにきいた「2人のストーリー」は、イントロからもう懐かしくて甘酸っぱくてくるしくて、すごく好きなうたになった。


”待ち合わせはローソンで おにぎりをふたつ買って家”

こんな歌いだし、ずるすぎる。

まるで隣にいるみたいだった。



PVには男装したYUKIと女装した加瀬亮が出演していて、その意外性も話題になってたような。


音楽は思い出とともにある、というようなことをよく聞くけれど、まちがいなく私のなかでこの曲はあのときの歌だ。


これはファンのあいだでは語りつくされた話題だろうけど、「JOY」の歌詞の一節に、こういうものがある。

”運命は必然じゃなく偶然でできてる”


この歌詞を、YUKIはいつしかライブでこう歌うようになった。

”運命は必然という偶然でできてる”


これ、聴くたびに毎回泣いてしまうのだけど、彼女が「どうもありがとう。私に起きた、全ての出来事に」と15周年のときにいっていたように、しょうがないよね、運命なんだから、というふわあっとした身軽さ(それはそれで羽根のようで素敵だった)から、積み重なる偶然を運命ととらえる覚悟に変わったような気がして、人間という器の広さをそこから感じるようで、勝手に感極まってしまうのだ。


ひとはみんな他人にはわからない苦しみや悲しみをかかえているけれど、それでいいんだよ、と、自分のことがいやになったり相手のことがいやになったり、でもそれで、あなたはだいじょうぶだよ、といつも肯定してくれるYUKIのもとにやっぱり帰りたくなるし、変わらずにわたしたちに音楽を伝えてくれる彼女の優しさが、とても好き。ずっと好き。


いつかわたしも大事なひとに、あなたはそのままでだいじょうぶだよ、と伝えて安心させてあげたい。



#いまから推しのアーティスト語らせて #YUKI

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