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国語のミニ雑学ー篆書とは?

小学校の卒業証書に押されていた篆書の印が4年間違う小学校の名前だったというニュースが出ていたので、篆書とは何なのかという話を簡単に説明します。
そもそも篆書は、楷書、行書、草書、隷書、篆書の五体の一つであり、この中で最も古い書体が篆書です。そのため、篆書は、隷書と楷書のもとになった書体となっています。厳密には、篆書を簡略化し、装飾豊かにしたのが隷書、その隷書を簡略化したものが楷書となっており、1番古いと言っても実際は草書や行書のように崩した書体ではないので、コツを掴めばわかるという場合もあります。また、草書が隷書や篆書を簡略化して崩したものと考えると、草書の方が崩した書体とはいえ楷書に近いと感じることも多いでしょう。
要は、日常的な書体である楷書と、その楷書を少し崩した行書の2つの書体に比べると、草書、隷書、篆書の難易度の差は個人個人で評価は大きく異なると思います。
さらに字によっても大きく評価は異なります。例えば門という字は楷書と隷書はほとんど同じであり、篆書もかなり近似しているのに対して、行書や草書は崩し方を知らないとなかなか何の字か判断できないことがあります。
何にせよ、篆書を古代の文字で現代は使わない字、現代とは距離のある字として捉えるよりも、素直に楷書とは異なる書体と考えると良いと思います。
現代の人の多くが使うドキュメント編集ソフトではフォントを気にするように五体も全てフォントの差くらいに認識すると良いでしょう。
最後に、フォントといえばという話で、明朝体というものがありますが、明朝体は楷書の1つであるものの、表現の差の一つされています。印刷の表現と、手書きの表現の差を表すものであり、手書きで書くときは教科書体を参照した方が良いです。というより、手書きで書くと不自然な表現もあるため、明朝体は常に印刷する時だけと割り切ってしまった方が良いと思います。

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