現代文キーワード小テスト #8.0
今までの現代文キーワードシリーズとは異なり、小説で使われることがある表現をいくつかピックアップしたテストにしてみました。ただあまりにも多く作りすぎたので、今回は3セット分に絞って掲載しました。やり方は①〜⑩の単語の意味として最も近いものを一つ選ぶという形式です。軽い気持ちで語彙増強できるものと思って取り組んでもらえたらと思います。
第1セット
①覚束ない ②名状できない ③からくも(〜する) ④とりなす ⑤さし障り ⑥狼狽 ⑦細をうがって ⑧やおら ⑨慈しむ ⑩碌に(~ない)
ア、慌てふためく。
イ、仲直りさせる。なだめて機嫌をよくさせる。
ウ、物事がはっきりしない状態。
エ、落ち着いて。しずかに。
オ、十分に。満足に。
カ、状態を言葉で表現できない。
キ、支障。邪魔。
ク、やっとのことで。かろうじて。
ケ、愛する。可愛がる。
コ、細かい点まで言い表して。
第2セット
①人好き ②毒づく ③健啖家 ④めんくらう ⑤つくづくと
⑥躍起になって ⑦頓狂な声 ⑧いわく言い難い ⑨権化 ⑩みもふたもない
ア、むきになって。
イ、ある抽象的特質を具体化または類型化したもの。
ウ、盛んに食べる人。
エ、出し抜けで調子はずれな様子。
オ、露骨すぎて、情味の含蓄もない。
カ、言葉では何とも説明しにくい。
キ、念を入れて、じっくりと行うさま。
ク、他の人が好くこと。人に好かれること。
ケ、慌てふためく。驚いてごまかす。
コ、激しく悪口を言う。
第3セット
①憑物が落ちた ②眼を瞠る ③恨みを呑んで (〜する)④是非に及ばない ⑤宥め賺して ⑥お手のもの ⑦腹を決めた ⑧目を見張る
⑨飲み込めた ⑩さめた〇〇
ア、決心する。決意する。覚悟をする。
イ、普通の状態に戻った
ウ、仕方ない。やむを得ない。
エ、理解できた。
オ、驚いて眼を大きく見開く。[ことわざではない方]
カ、驚いたり感心したりして目を大きく見開く様子。[ことわざ]
キ、慣れていて得意としている様子。
ク、感情に動かされず、冷静に。
ケ、泣いたり怒ったりしている者を慰めたりおだてたりして機嫌を直させて
コ、残念な思いや憎い気持ちを心に止めたまま
解答兼単語リスト
覚束ない:物事がはっきりしない状態
名状できない :状態を言葉で表現できない
からくも :やっとのことで。かろうじて。
とりなす :仲直りさせる。なだめて機嫌をよくさせる
さし障り :支障。邪魔。
狼狽 :慌てふためく。
細をうがって: 細かい点まで言い表して
やおら :落ち着いて。しずかに。
慈しむ :愛する。可愛がる。
碌に~ない :十分に。満足に。
人好き : 他の人が好くこと。人に好かれること。
毒づく: 激しく悪口を言う。
健啖家: 盛んに食べる人。
めんくらう: 慌てふためく。驚いてごまかす。
つくづくと: 念を入れて、じっくりと行うさま。
躍起になって: むきになって。
頓狂な声 : 出し抜けで調子はずれな様子。[頓狂は「調子はずれ」というニュアンスを持つ]
いわく言い難い: 言葉では何とも説明しにくい。
権化: ある抽象的特質を具体化または類型化したもの。
みもふたもない :露骨すぎて、情味の含蓄もない。
憑物が落ちた :普通の状態に戻った
眼を瞠る :驚いて眼を大きく見開く[ことわざではない]
恨みを呑んで: 残念な思いや憎い気持ちを心に止めたまま
是非に及ばない: 仕方ない。やむを得ない。
宥め賺して: 泣いたり怒ったりしている者を慰めたりおだてたりして機嫌を直させて
お手のもの: 慣れていて得意としている様子。
腹を決めた: 決心する。決意する。覚悟をする。
目を見張る: 驚いたり感心したりして目を大きく見開く様子。[ことわざ]
飲み込めた :理解できた。
さめた〇〇 :感情に動かされず、冷静に。
補足
「眼を瞠る」と「目を見張る」では、前者は単なる言葉の意味しか持たない表記となっています。多くの辞書においても、ことわざの意味があるのは後者とされており、他の表記として「瞠る」は紹介されていないため、「驚いたり感心したり、怒ったりする」という意味で用いる場合は「目を見張る」を使った方が良いとされています。言葉は揺れ動くものでもあるので、数年後には「瞠る」も許容される可能性がありますが、現状は「見張る」を優先的に使うと安全と覚えておくと良いです。
難しい表記を覚えてしまうとそちらを使いたくなってしまうものですが、必ずしもそれが良いということではないのです。まさにこの「瞠る」と「見張る」はその典型です。少し異なる例ではありますが、「こと」「とき」「もの」「など」のような形式名詞は基本的に漢字ではなくひらがなの方が良いとされています。また、これらが漢字の場合はあえて「事」(「関心事」のように「じ」)、「時」(「到着時」のように「じ」)、物(「対象物」のように「ぶつ」)、「等」(被害者等のように「ら」または小説等のように「とう」)と異なる読みをして区別をする場合もあるので、意外と注意が必要になります。
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