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「一日一記事」のはずが・・・

こんな時間だ・・・

こんばんは。ササキミナコです。

さて、このマガジンのタイトル、

「おやすみ前に。」

っていうそのまんま(笑)の字面から分かるとおり、

「寝る前の10分をなんとかアプトプットに充てようぞ!!」

という、自分に壮大にハッパをかける(自分で自分にってだけの話です)、ぶっちゃけていえば、

「決意表明」
「退路を断つ」(笑)

みたいなはずだったのですが・・・。

ああ、ダメ。帰宅し、色々作業片づけ、入浴し、さてと一杯・・・そうなった時点でアウト。

あとはひたすらダメ人間(苦笑)と化す一方で、

「ええい! 明日もあるし、寝ないとヤバい!」

なんて・・・いや、単純に眠気という人間にとって人生最大の宿敵に敗北し、ベッドに入ってしまう。そしてこのなんとも寒い時期、フカフカの布団とその布団のもたらす暖かさの悦楽。

アタシってダメ人間ですね・・・。お風呂上がりに一杯。となるまでに書けばいいじゃないよ、と(苦笑)

アウトプットも「一日一記事」!

アタシが幼い頃、テレビの民放(当時地上波しかありませんでした)のCMを席巻していたのが、

「日本船舶振興会」(現 日本財団)

のCM(何故かTBS系列とフジテレビ系列だけ流してなかったような・・・)。

創設者兼会長の笹川良一氏が、どのCMにも出演しており、しかも大量に流れるんです。現在で言えば、同じくプライムタイムや深夜を除けば、どんな番組にものべつまくなしに番組提供(タイムスポンサード)している

「ハズキルーペ」(ハズキコーポレーション)

のCMのようというとしっくりきますが、大手広告代理店(笑)の提示した絵コンテ完全無視し、ハズキ社の松村CEO自ら陣頭指揮し、

「ハズキルーペ、大好き!」(菊川怜氏・武井咲氏)

のあの名コピーが生まれた・・・・なんて逸話まである。

いやいや。1期間1パターンを繰り返し大量投下するだけの「ハズキルーペ」なんて適わないですって。「日本船舶振興会」、笹川氏が関与する関連団体のCMを含めると、どれだけバリエーションがあったことか…。

正午の

「お昼のワイドショー」(日本テレビ)
「アフタヌーンショー」(テレビ朝日)

のエンドカード前に流れていたのが、

日本防火協会

という団体のCM。

しかものっけに

「月曜日」

みたいにデカデカテロップが出る。なんと毎日。曜日別ときたもんです。

♪戸締まり用心! 火の用心! 戸締まり用心! 火の用心!

シチュエーションとして街の消防団みたいな感じなんでしょうか? 一同ハッピを身にまとって、音楽家の山本直純氏(恐らくこの曲も作曲なさったのだと)が纏を派手に揮い、多くの子供をハワイ出身の関脇・高見山大五郎氏が拍子木を叩く。

そこに笹川良一氏登場。

「自然を大切にしよう! 一日一善!!」

みたいなよいこへの啓蒙(笑)を毎日同じ時刻にするのですが・・・

笹川氏・・・小さい子、特に女の子なんぞがテレビで観たら

「このおじいちゃん、怖い・・・」

と、泣き出してしまいそうな面構え。

なにせ、アタシですら夜夢に出てくるのではないか・・・位のトラウマだった時期がある(笑)

3年位前だったでしょうか。朝日新聞朝刊のオピニオン面でとある論説委員の方が、

「テレビでしょっちゅう流れてくる日本船舶振興会のCMと、そこに出てくる笹川氏に辟易していた視聴者も多いはずだ」

という、直球のご意見を述べてらっしゃり、35年ににして溜飲を下げた想いがします(笑)

くだらない話はさておき・・・

アタシたちの世代って

団塊ジュニア(1973年生)

より2つ下、今とは比べものにならないくらい、どこの街でも子供で溢れかえっていたし、小学校も中学校も、学級数が多かった。

丁度、アタシが生まれた頃に東京・名古屋・大阪(京阪神)都市圏のベッドタウンと呼ばれた地域では、相次いで小学校・中学校の新設が行われた時期。

小学校ですら1学年10学級を軽く越え、校舎(教室)も完全に不足、やむを得ず、校庭にプレハブ校舎を建設し対処、なんて事が当たり前だったのです。

アタシが小学校を卒業する際、6年生が4学級だというのに、1年生が2学級しかなく、しかも1クラス30人程度だったのに、驚きを禁じ得なかった事を思い出します。

無駄な比喩ばかりで恐れ入ります。すなわちそれだけ子供が多く、しかも当時、インターネットもスマホもありません。

事実上、メディアは所謂4マス(新聞・出版・テレビ・ラジオ)のものであり、そのうちテレビは子供をターゲットにしたアニメ(現在TOKYO MXやBS11で大量に放送されている所謂「アニヲタ」相手の作品ではない)が大量に放送されていたし、石ノ森章太郎さん原作の特撮ものもフジテレビやテレビ朝日で放送されてましたっけ。

朝や夕方にも再放送が多数なされていました。商業放送であるはずの民放のテレビで

子供向けコンテンツ

が、立派に成立していた時期です。

先ほど、アタシが小学校を卒業(1988年3月)に、1年生が2学級で30人という人数に驚いた・・・というのを書きました。それを象徴するように、バブル経済の末期、1989年を境に、テレビの子供向けコンテンツは、ゴールデンタイムからどんどん姿を消していきました。

子供の数が少なくなれば、当然視聴率も下落する。商売にならなくなってしまったわけです。

超少子高齢化

なんて事が言われ、ついに1年で出生する子供の数が100万人を切る事態に至った今の日本で、民放地上波ゴールデンタイムで子供向けコンテンツと呼べるものって

「ドラえもん」(テレビ朝日)
「クレヨンしんちゃん」(テレビ朝日)

くらいしか思い浮かびません。

木曜19時台に編成されていたテレビ東京系列のアニメ2作品も、とうとう日曜夕方に枠移動の対応が取られたばかりですし。

子供向けコンテンツビジネス終焉

昨年、それを裏打ちする象徴的な出来事がありました。

「ポンキッキシリーズ」(フジテレビ→BSフジ)

の終了です。

ああいった主に午前中心に夕方にかけて放送される、子供向けの教養番組って、かつて民放にも各局に存在しました。

「おはようこどもショー」(日本テレビ)
「ロンパールーム」(日本テレビ)
「パンポロリンシリーズ」(テレビ朝日)
「ブンブンバンバン」(名古屋テレビ)
「ママとあそぼう!ピンポンパン」(フジテレビ)

教養番組と呼ぶには??な、エッジが効いているというか、ちょっとぶっ飛んだ内容のものであれば

「カリキュラマシーン」(日本テレビ)
「パックンたまご」(テレビ朝日)
「パオパオチャンネル」(テレビ朝日)
「ウゴウゴルーガ」(フジテレビ)

等。

この中でも「ポンキッキシリーズ」は子供向け番組として秀逸かつ出色の出来でして、テレビの特性、映像と音楽をフルに活かしつつも、かつ純粋に子供の情操教育と道徳・しつけといった内容に特化したものでした。

この番組から生まれた

「およげ!たいやきくん」(1977年)

が、日本最高のシングル売上枚数を記録した、という方も、ご存じの方は多いのでは?

前置きがあまりに長くなりましたね・・・(大汗)

アタシが毎朝大好きだったのは、ペギー葉山さんのそれこそ

しつけ

のコーナーです。毎回、箱根彫刻の森美術館(フジサンケイグループ運営)からのロケ(なんとフィルム撮影)だったかと。

ペギーさん。優しいかつビシッとした語り口で、

「周りのみんなと公園で遊ぶときは、ちゃんと並んで順番を守って、遊びましょう」
「道を歩いているときに、回りの大人の邪魔になるような迷惑をかけるようなことをするのはやめましょう」
「横断歩道は信号が青に変わってから周囲をよく見て手を上げて渡りましょう」

とか。

母親の言う毎度の小言より、説得力がありました。

そんなポンキッキも・・・

1993年10月に

「ポンキッキーズ」

とタイトルを変え、内容がガラッと変わってしまいました。

当時もう、子供の数が減りつつあったので、本来のターゲットである子供と母親以外の新たな層の掘り起こしを図ったのだと思います。

1992年に立ち上げた先述の

「ウゴウゴルーガ」(フジテレビ)

が朝6:10~(関東地区、その他一部地域のみ)の放送ながら、そのぶっ飛んだ構成で大評判となったのに触発されて・・・というのもあったのかも知れません。

しかし、その後の「ポンキッキシリーズ」は、内容を1年おきくらいに変更しながら、朝から夕方、半年で再び朝、またも夕方、土曜朝週1回、最終的にはBSへ移行という、やはり

「苦戦してるのねえ」

的な感想を抱かざるを得ない扱いとなりました。1993年のリニューアル後、見るべき物って

「ジャカジャカじゃんけん」
「爆チュー問題」(爆笑問題のお二人が扮するキャラクター)

くらいしか思い浮かばない。

結果、昨年3月で「ポンキッキシリーズ」は45年の歴史に終止符を打ち、2000年にフジテレビから分社し、ポンキッキの生んだ名キャラクター

ガチャピン&ムック

のライツビジネスや教育事業を展開していた

フジテレビKids

もまた、18年の歴史に幕を閉じる事になっったわけです。

視聴率の深刻な低迷でフジテレビの業績が揮わない事情を考慮しても、子供向けビジネスが完全に限界に来てしまったことを物語る出来事でした。

ガチャピン&ムック

のライセンシーはフジテレビ本体に移り、2018年7月から1クールだけガチャピンさん(笑)をメインに起用したミニ番組を放送、その後、秋にフジテレビ地上波とBSフジでガチャピンさん(笑)とムックさん(笑)を起用した子供向け番組2つが立ち上がりましたが・・・見るべき内容とは、とても思えませんでした。

今の世の中・・・

良く

スマホ育児

の是非でネットが論争になるじゃないですか。

「子供にスマホを見せるなんて!」

とかの。

ぐずる子にスマホ、電車で非難 「どうすれば」親の叫び(朝日新聞デジタル)
スマホ子守はだめ? 「私たちのころは…」親を縛る呪い(朝日新聞デジタル)

そういうシニア層による

「スマホこの世の悪玉論」

みたいな観点からの困った目くじらはさておき、幼い子がまず最初に触れるメディア、今現在、スマホやタブレットを介したYouTubeだったり、HuluやdTV、Amazonプライム・ビデオやAbemaTVで間違いないのではないでしょうか?

その是非はこの際、抜きにしましょう。仮にテレビで・・・となっても、NHK Eテレあたりを除き、テレビで子供に見せるものが地上波・BSともども。ほとんどないですから。

それが新旧問わずのアニメであれ、YouTubeにありがちな猫動画であれ・・・。オンデマンドですから、時間軸も問わない。ネットさえつながり、あとはギガ食い(笑)さえ考慮すれば、場所も問いません。

しかし、ここに重大な問題がある。そこにかつての

「ひらけ!ポンキッキ」

のような、子供の情操教育に実に良い、良質な子供向けコンテンツは、多分ラインナップされていないのでは? という点。

そして、アタシが中学生にもなろう頃から姿を消しつつあった、そういったテレビを介した壮大な子供への「しつけ」。それをする人もいなくなってしまったなぁ、と。

今のネット社会にこそ、ペギー葉山さんのような人が必要なんだと思います。しょっちゅう(昼だったり、東京の民放テレビ独立局の生放送では毎日のように・・・)他人様に

「怒っている」

有名人は無数にいますけど、もうああいう「怒りぶちまけ系」な有名人は沢山。

この世にはメディアを介し「しつける」人がいないんです。いや、かなり昔から、いなくなってしまった。アタシより5年も下の世代、テレビを介して「しつけ」を受けたことがない世代なんだなあ、と。

その「結果」が、この世なのかなあと。

しつけでも、笹川良一氏のような

「家族を大切にしよう! 一日一善!」

みたいなのを毎日見せられるのは、困ったものですけど。ただ、あの恐怖(笑)の顔面を持ってして

「noteは毎日書こう! 一日一記事!」

なんてCMが不意打ちでブラウザで突如流れ出すようならば、強烈な強迫観念で、アタシは10分でもキーを叩くに違いないぞ・・・とか。

ああ、こんな時間だ・・・(苦笑)

Photo by shin--k on VisualHunt.com License : CC BY-NC-SA

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ササキミナコ/Minako Sasaki
最後までお読み頂き、ありがとうございました。他にも多くの記事を執筆(現状「予定」でしかありませんが・・・)の予定です。お時間が許す範囲で拝読願えれば幸いです