フラペチーノで味わう老い、されど成長
私はチョコレートが好きだ。
「もしこれからの人生で、たった1種類のスイーツしか食べることができない」という世界になったとしたら、私はチョコを選ぶ。それほど好きだ。
現在スタバで販売されている「フォンダンショコラフラペチーノ」。
SNSで発売予告が流れてきた瞬間、2月のバレンタインシーズンと、私好みの味が確約されているドリンクの到来を感じた。
そして先日、作業がてらスタバを訪れ、待ちに待ったフラペチーノとこれまた新商品の抹茶ドーナツを注文。
たまたまバーゲンで掘り出し物を手に入れたかのような謎の勝利感を抱きながら、トレーをテーブルに置いた。別に戦って手に入れたわけではないのだが。さて、一口。
飲んでみると、やはり思っていた通り。チョコレートの海で舌が満たされた。
美味しい。幸。
抹茶ドーナツも美味しい。食べ応えがある。幸。
しかし、すべてのドーナツが胃袋に収まり、フラペチーノが半分に到達した頃、私の「甘いもの欲求バロメーター」の数値はMAX。そんな、馬鹿な。
大学生の頃は月に2〜3回ほど通い、友人たちとおしゃべりに興じていたらいつの間にかなくなっていたのに。社会人になってからも、時折立ち寄っているのに。
バロメーターを無視してなんとか飲み切ったが、私は軽くショックを受けていた。もうフラペチーノが「重い」と感じる時期に突入してしまったのか。あれ、今いくつだ?
よくよく考えてみると、最近甘いものを食べた後は胃が重たくなるような感覚がある。つまり、私は、本当に少しずつだが、老いている。私の胃袋は、フラペチーノと甘いドーナツを同時に受け入れればキャパオーバーとなるよう変化してしまったのだ。笑うしかない。
20代の私が老いを感じることについて、「いや、早いでしょ。」と思われるだろう。だが、一分一秒を待たず、例外なく生き物は、着実に老いている。極端な話、赤ちゃんだって老いていっている。
しかし、老いは言い方を変えると成長である。
私はフラペチーノが重いと感じるようになった代わりに、最近はタコワサが大好物になった。子供の頃わさびが苦手だった私は、タコワサを食べられるまでに成長している。
つまり、考えようによっては、老いは悪いことばかりではないのだ。
まさか、学生時代から気軽に飲んでいたフラペチーノから、老いについて考えるとは思わなかったが。これも老いた、いや成長したからこその発見である。
そして私が思うこと。
今度からフラペチーノを頼むときは、甘いものとセットはやめておこう。
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