自分が動けば社会は変わるOne Step Forward~越境した若者と考えるSDGs~ 第2回
One Step Forward ~越境した若者と考えるSDGs~
One Step Forward ~越境した若者と考えるSDGs~ は、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標SDGs:Sustainable Development Goalsについて知り、考えるイベントです。
SDGsという言葉を聞かない日はありませんが、周りで行われている活動を遠くに感じる方も多いのではないでしょうか。このイベントではSDGsの課題解決に向けてアクションするゲストをお招きし、ご自身が取り組まれていることについて等身大でお話し頂きます。
本イベントへの参加をきっかけとしてSDGsを身近なものとして捉え、活動への一歩“One Step Forward”に繋げて頂けたらと思います。
イベントの前半は、ゲストご自身がチャレンジしているSDGsへの具体的な取り組みを中心に、英語コミュニケーションの大切さにも触れながらお話し頂きます。後半はグループに分かれてインタラクティブな時間とし、ゲストの講演に関する感想のシェアはもちろんのこと、SDGsについて考えていることや興味がある活動について自由にお話いただきます。イベントの最後にはSDGsの課題解決に向けて有志の方に「これからは〇〇する」宣言をしていただく時間を設けています。
今回のゲスト
第2回のゲストは、日本に住む外国人の就労サポート他生活支援をする株式会社ASEAN HOUSE代表取締役の佐々 翔太郎さん。大学時代のミャンマー留学がきっかけでミャンマーを好きになり、留学時代に現地での起業にまで至った佐々さんの留学体験や、いまの会社を創業した経緯をたっぷりと聞かせていただきました!
佐々さんのご講演
ミャンマー留学時代の起業ストーリー
まずは留学時代のお話から。佐々さんは、大学時代にトビタテ!留学JAPANの奨学金プログラムを利用し、ミャンマーへ留学。アジアの子どもたちにITの力を用いて教育支援を行う認定NPO法人e-Educationでインターンをし、ミャンマーの首都ヤンゴン(日本でいう東京のような都市部)などで「ミャンマーの林修さんを探す!」というところからスタートしたそうです。e-Educationではそういった映像授業を収録し、都市部から約30時間をかけてミャンマーの最貧困州等の地方へ映像授業を展開していたものの、現地で目の当たりにしたのは学生のやる気のない様子…!そんな学生たちを見て、昔の自分と重なり、彼らには「カッコイイな、こんな人になりたい!」というような地元の身近に感じられる「ロールモデル」が必要だと感じた佐々さん。
そんな課題感からe-Educationからは独立し、自分で立ち上げたのがLive the Dream。留学期間中に現地で起業、という凄まじい行動力!ミャンマーの学生へロールモデルとなるような方のストーリーを学生に届けるべく、現地で仲間を探しながら事業をスタートしていったそうです。本当に届けたいユーザーは誰なのか?などに立ち返りながら、進化していった事業。
とはいえ、山あり谷あり、売上が伸びない時期もあり、従業員がボイコットなんていう時期も経験した佐々さん。そんな時期を通じて、「従業員がずっと働きたいと思ってくれるような企業を創ろう」と決意したといいます。
留学時代の起業から学んだ2つのこと
現地で留学期間に起業というハードな経験の中にも、嬉しいエピソードや大きな学びも。
ひとつは最貧困州出身で一緒に働く仲間は「収入の半分を仕送りしていて、その仕送りで妹が学校に通えるようになったよ」という言葉。その言葉には、鳥肌が立ったそうです。
「事業を拡大する→雇える人が増える→従業員の家族も幸せになる」佐々さんにとっての国際協力とは現地の雇用を生み出すことなのだと感じたと言います。
もう一つのエピソードは自分自身やミャンマーでの活動を通じて、一緒に働く仲間が「俺は日本が好きになったよ」という言葉。「佐々がいつも暑苦しく語っていて、笑 気になって日本のこと調べてみたけど、改めていい国だと思ったし、何より佐々がいるから親しみを感じているよ」と言われ、自分は日本の代表として見られるのだということを感じた佐々さん。
「自分をきっかけに日本を好きにも嫌いにもなる人がいる、自分は日本というブランドを背負っているのだ」ということに気づくと同時に、日本に限らず多様な国籍の人間関係において同じことが起きると感じたそうです。そういった一人一人の国を超えた人間関係が、国際交流となる。そんな交流が積み重なっていくと嬉しい、と思いながらいまの会社も運営しているそうです。
日本に住むミャンマー人技能実習生との出会い
その後日本へ帰国しリクルートへ入社した佐々さん。帰国後もミャンマー愛は冷めず、毎日ミャンマーの話ばかりするため、一時はニックネームが「ミャンマー」と名づけられたほどだったとか。笑
人手不足に外国人材が不可欠だということを実感しながら、特定技能の制度を活用しているミャンマー人に会いに行ったところ、「もう日本はいいかな…」と言っているミャンマー人たちを目の前にしたそうです。せっかく自分の好きなミャンマー人が日本へ来て働いているのに、日本を嫌いになって帰ってほしくないという思いからまずは行動に移すということで実践してみたのが自分の家をシェアハウスにしてしまおう!
留学時代の起業に続き、なんとも思い切った行動ですよね…!そんな風に始めたシェアハウスのなかでミャンマー人と会話するのなかで見えてきたのは、聞くに堪えない職場での差別。
移民版リクルートを目指して
もともとは東南アジア現地で事業をしたいと考えていた佐々さんですが、そんな日本で暮らすミャンマーの人たちの現状を目の当たりにし、自分の母国日本でミャンマー人たちが困っているのであればとASEAN HOUSEを立ち上げました。「外国人も暮らしやすい社会を創る」というビジョンを掲げて、東南アジアからきている外国人を対象にしたシェアハウス事業や人材紹介事業を展開。日本での暮らしに不慣れな外国人でも、定着・活躍できるような支援も実施しています。
銀行口座開設などの手続きから宗教上の慣習など、外国人が日本で暮らす際や働く際にハードルとなるものを解消すべく一気通貫で提供しているのは、外国人にとっても企業にとっても魅力ですね。
人材紹介事業の継続だけではなく、今後は移民の生活に関わるすべての課題を解決できる「移民版リクルート」を目指すと話していた佐々さん。
移民の皆さんは、母国ではお金持ちでも日本に来た途端に信用がないと見なされ、お金を借りることができないといった問題も。
(お恥ずかしながら私は全く知らなかったのですが、)日本で外国人が増加している一方で外国人向けの結婚式場は不足しており予約は1年待ち…という状況が起きているなんていう現状もあるそうです!
外国人が日本において生活するうえでの課題はいろいろなところに潜んでいるものですね。
これからのASEAN HOUSEの事業展開に期待が高まります^^
感想シェア&ディスカッション
講演後は、ブレイクアウトルームで感想シェア&ディスカッションの時間。今回は2つのお部屋に分かれてお話をしました。
「韓国の仲良い友人がいるものの、国家間の関係性を複雑に感じている」というような声が聞かれた一方で、「技能実習制度に関しては、これまで問題点ばかり暗い話ばかり聞くことが多かったけれど、こうやってどうやったら解決できるかにチャレンジしている前向きな話がきけてよかった」といった声もありました。
参加者の皆さんの宣言パート!
「1人の100歩より100人の1歩」という言葉が好きな私ですが、本イベントはまさに皆さんの1歩を後押ししたい!という思いで運営しているもの。今回の最後の宣言パートはお時間が限られていたのですが、3名の方が発表してくださりました!
「今後の学生生活でいろんな人とのつながりを大切にしていきたい」という大学生の方がいたり、「佐々さんのように、自分自身が国を代表するような気持ちでほかの国の方と接していき、相手のことをもっと知る努力をしたい」という宣言も。
「人や国の不平等をなくそう」というテーマ、課題も多くありますが、まずは私たち一人ひとりが身近な人との関係や繋がりを大切に、相手を理解し尊重することから実践していきたいものですね!
当日の様子
当日の佐々さんのお話や、参加者の皆さんの宣言の様子はこちらから!
もっと知りたい!
佐々さんのご活動やASEAN HOUSEの取り組みをもっと知りたい!という方はぜひ下記のホームページやSNS等を覗いてみてくださいね♪
次回のOne Step Forward
気になる次回の開催は、19:30-21:00を予定しています。次回のSDGsのテーマは ゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」に取り組んでおられる島田颯さんをお迎えします♪
詳細・お申し込みはこちらから!
第3回もお楽しみに!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?