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知覚能力の発掘 -そんな私のスリランカ旅-

私はアーユルヴェーダにはまって、スリランカを旅し続けているわけだけど、アーユルヴェーダを学問的に学び続けているのかと言うと、正直なところそうではない。

ただ、アーユルヴェーダを介して新しい世界を見つけてしまって、人間の中にはこんなにも沢山の色んな可能性があるのか!ということに興奮し続けているだけだったりする。

私たちの知覚能力のうち、自覚できているものは目覚めているものなんだと思う。だからその能力を感じ取れるし、引き出せる。
でも実は、眠っている意識、つまり潜在意識の中にはまだ無限に知覚能力があって、それがたまたま揺り起こされると新しい世界が見えてくるのではないだろうか。
そういう体験は、生きていれば出会うことがたまにある。
その強烈なカギが今回、たまたまアーユルヴェーダだった。

アーユルヴェーダをきっかけに、スリランカやインドやネパールの文化や暮らし、宗教に至るまで、私の中で解像度がぐっと上がったし、面白くて面白くて世界が爆発的に広がってしまった。

そういったものに出会って、その知的好奇心の領域を広げていくには、やはりある程度、自由に動かなくちゃいけないと感じる。
自分をゼロにする必要があるから。
会社員として業界のこと、日々の業務のことを把握して道筋を立てて動いている生活から、何も知らない体験もしたことのない世界へ。

こういった、自分をゼロにして裸で新しい世界に出ていく、みたいなことってもっともっとやりたい。
寿命はコントロールできないからこそ、やらないと勿体ないような気がしている。

で、スリランカから日本へ帰国する前日。
私はより、生身でスリランカを感じる方法はないか考えてみた。
そこで思いついたのが往復1時間のサイクリングチャレンジ。
海岸まで自転車で行って、サンセットを見て宿に帰ってくる企画である。

どこがチャレンジなんだ、と思われるだろうが、下記の想定不能なリスクをはらんでいるドキドキプランなのだ。
①海岸までの道のりには、長距離のカオスな車道が(歩道はない)
②完全に日が暮れたら、宿付近は街灯がない上に野良犬も多いので危険過ぎる

Google MapとiPhoneの天気予報によると、往路30分で日暮れに染まる海を拝むことができ、10分滞在して引き返せば完全な日没までに宿に戻ってくることができる。
文明の利器を信じるしかない、危険な挑戦…

緊張と期待を胸に、宿の自転車を借りて出発。

ハンドル中央にスマホを取り付けられる、ありがたい仕様

走り出して5分ほどで、昼間のスコールのせいで冠水している箇所に突入!
膝下まで水に浸かりながら漕ぐ楽しさよ。

もっと深いところもあった

そして、トラックと車とトゥクトゥクとバイクと自転車が、ごちゃまぜで走る車道をひたすら爆走する。ゆっくりしていると轢かれそうなので、とにかく必死で爆走。

そして、ついにサンセット鑑賞のスポットとして人気だという海岸までたどりついた。
屋台もいくつか出ており、日の入りを待つ地元の人たちが楽しそうに過ごしている。

日が暮れ始めて人が集まってきた

いつまででも、のんびり滞在していたいような居心地の良い場所だったが、私には時間のリミットがあるので後ろ髪を引かれながら帰途につく。
再び車道をとばして、ようやく小道へ入ってくると、どこを見渡しても夕陽に染まる美しい自然の風景が。

ヤシの木の影がたまらない

感動と達成感と共に、かろうじて陽の光が残るうちに宿に帰りつくことができた。

こんな小さな体験でもいいから、ばんばん未知のものに触れて、自分の中で眠っているものを目覚めさせていく。
そういうことをし続けるのが私の幸せなんだろうな。と部屋でお疲れジンジャービア(ノンアルコール)を飲みながら感じていた。

翌朝、チェックアウトをする際に、宿のオーナーは私の顧客情報を見て「僕と同じ歳だったんだね!?だったらあんなサイクリングは止めたのに…。てっきり30代かと思ってたから…」と驚愕していた。

うん、40代も終盤。
30代に見えたなんて気分が良いからまた泊りに行くね、マンゴーハウス。
今回のスリランカ旅も強烈に面白い日々でした。

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