目蓋の裏#3
水道の水が流れていく。
ジャーッ ジャーッと水が流れていく。
水は自らの熱を、周りと空気を合わせながら発散していく。
空気をかわしながら真っ直ぐターゲットに向かっていくその姿はまるで、都会を歩く現代の若者のよう。
都会の人々は冷たいというが確かにその通りなのかもしれない。
水は確かに冷たい。
温度によっては、熱かったりぬるかったりするが基本は冷たい。
人の体温も所詮は35度近辺をうろちょろしていて、実際はぬるかったり冷たかったりしている。
では、心の体温はどうか。
やはり冷たいのだろう。
それは確かに人間から見たら
暖かいのかもしれない、温かいのかもしれない。
ひょっとしたら熱いもあるかもしれないけど
でも、やっぱり冷たいのだ。
人は水からのエネルギーを元にしなければ、
生きていけないのだから。
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