幼稚園の頃にいなくなった母親に会ってみようと思う
両親は、私が幼稚園の年中の頃に離婚した。私は小さい頃、身体が弱くてほぼほぼ入院していたからあまり幼少期の思い出などはないのだけど、お母さん子だったのは覚えている。
私の家庭は核家族ではなく、両親・父方の祖父母・姉・私の6人での生活だった。よく嫁姑問題というけれど、私の家でもそういうのがあった。母親のことを祖母が毛嫌いしていたのか、それとも母親が何かやらかして嫌われたのか真実は知らないけど、とにかく仲が悪くて母親は祖母に会わないように生活していた。
私はお母さん子だったから、母親に言われた通りに行動していた。母親に「今リビングにいるか見てきて」と言われ、リビングへとおそるおそる向かうシーンを今でもたまに思い出す。そして、リビングで祖母に会うと「お母さんに言われてきたのか!本当よくない子だ」と怒られる。ひどいときは、祖母に捕まえられて引っ張たたかれていた気がする。
あと覚えていることと言ったら、離婚が決まったときかわからないけれど父親の怒鳴り声が聞こえた後、しばらくして母親が私のもとに現れたと思ったら、私のことを持ち上げて振り回し投げ飛ばしたことくらいだろうか。
そのくらいしか記憶がない。母親の顔など覚えていないし、良かった記憶など一つもない。だから、私は母親のことを良く思っていない。
父親に「母親と連絡を取ってもいいんだよ」と言われたことがあったけれど、私は全然その気にならなかった。
でも、少し前から母親に会ってみようかなと思うようになった。それは、何年か前に姉が母親の住所などを調べて手紙のやり取りをしていたのがきっかけ。
手紙には「本当に申し訳ないことをしたと思っている」といったような内容が何枚もの紙につづられていた。そのなかには、私をとても心配しているような文面もあった。その手紙を見た当時は、「いなくなったくせに、今更なんなんだよ。私が本当につらかったときには何もしてくれなかったくせに。絶対に連絡などとらない」と怒りしか湧かなかったから、私は何も返事を書かなかった。
ただ、あれからまた何年も経って怒りの感情がなくなってきた私は最近母親がどんな人なのか気になり始めたのだ。
母親がいないことで、私は過去にたくさん嫌な思いをした。なんで他の子にはいるのに私にはお母さんがいないんだ!と何度も何度もそう思った。そんな風に思わせた母親に、私はそのうち会う。別に母親を責める気はないし、何を話すのかもわからない。話すことなど何も見つからなくて、一目見たら帰るかもしれない。
ただ、自分の母親がどんな人なのか、どんな人だったのか死ぬ前に自分の目で一度確認しておくのもよいかもしれないとそう思ったから。父親も祖父母も、母親は良くない人だと言っていた。でも、それはその人達から見た主観で本当は違ったのかもしれないとそうも思うから。
とりあえず、まずは母親の居場所を調べて手紙を送るところから。会ったところで別に私の人生には1ミリも影響を与えないかもしれないけど、会ってみたいという気持ちに従って行動してみようと思う。
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