ミュージカルが好きすぎてドイツに住むことになった
noteでは、はじめまして。
唐突ではあるが、自己紹介がてら、私が現在ドイツに住みはじめたきっかけをお話ししたい。
私はそもそも海外で生活するなんて、全く考えてもいなかった。
それが何故、海外生活することになったのかというと、ドイツ語圏のミュージカルに出会ってしまったからなのだ。
2001年、友人と一緒に海外旅行に行く候補地の一つに、ドイツ・スイスの旅があった。
ちょうどそのとき、2人とも大好きなミュージカル「エリザベート」がドイツのエッセンというところで上演中、しかもウィーン初演に演じていた主演の二人、Pia Douwes(ピア・ダウエス)とUwe Kröger(ウーヴェ・クレーガー)が出演しているということで、これは一度見ておきたい!となり、行先はドイツ・スイスに決定した。
そこで観たエリザベートは、言葉もわからないのに、役者陣、演出、オケなどあらゆるものの素晴らしさにすっかり心打たれ、特にTod(死、日本版ではトート)を演じたUwe Krögerに腰砕けになってしまった。
歌が上手い、芝居も出来る、そして何より舞台上での所作がなんとも私好みだったのだ!
その後の道中でも、プログラムに記載されている彼の経歴をもとに、CDを一心不乱に探し求めて、移動中の電車の中でも、ひたすらエリザベートについて語りまくり、うろ覚えで歌い、踊り、とにかく寝ても覚めても頭の中はそのことばかり。
そしてドイツを周って、スイスに着いた後、なんと二人して体調不良に。
これを打破するには、エリザベートをもう一度見るしかない!と急遽予定を変更し、またドイツのエッセンに逆戻りして、帰国当日マチネのみを見て、日本に戻ってきたというのが初ドイツの思い出。
日本に戻って来た後は、インターネットで出来る限りの情報を探して、当時はまだ数少なかった動画を漁ったり、役者さんたちのHPを読めないながらも眺めていた。
また、日本にも本場のエリザベートやその他のドイツ語圏ミュージカルのファンの方々がHPを運営されていらして、いろいろ楽しく交流させていただいた。
その内、Uweのファンページを作る!と一念発起し、彼のファンクラブにも確認を取ったうえで、日本語版のHPを運営しはじめた。
その間にも長期休暇を取る際には、必ずドイツやオーストリアなどで、1週間で8公演!とかミュージカルはしごの観劇旅行を続けていた。
HPを運営していくうちに、掲示板やオフ会などでいろいろな方と交流するようになり、ドイツ語ができる方々も結構いらっしゃることがわかった。
私は全くドイツ語はわからなかったけれど、ドイツ語が少しはわかるようになれば、舞台の台詞なども理解できるようになるかもしれない、と思い始めた頃、オフ会でも、習ってしまえ!と後押しされ、週に一度ドイツ語学校に通うように。
週に一度ということで、ほんの少しドイツ語の読み方がわかるようになったりした程度だったけれど、あるときに、ドイツにはワーキングホリデーがあるから、行ってみたら?という話が出た。
いろいろ考えているうちに、とある本に出会い、好きなことをやろう!と思い立ち、更に親友と恩師にも後押ししてもらい、じゃあ今の私はドイツ語圏ミュージカルが好きだから、何かそれに関わることがしたい!とドイツ行きを割とすんなり決めたのだった(家族とはひと悶着あったが)。
ドイツに来て最初のうちは、当然殆どドイツ語も話せず、理解もできず、大変だったのだが、入れ違いでUweが一路真輝さんのコンサートに出演するため来日すると連絡を受けたり、ファンミーティングを企画したり(これはその後も何度かあった)、地の利を活かして観劇旅行に行ったりと楽しいこともたくさんあった。
というか、楽しいことの方が圧倒的に多く思い出せて、大変だったことの殆どは笑い話にできるようになっているのは、ありがたい。
ドイツに来る前も、来てからも、私はドイツ語圏ミュージカルのファンを増やしたい、日本とドイツのミュージカルの懸け橋になりたい、と長らく思っていて、いろいろな情報をブログやTwitterに書いたり、舞台を見に行けばそのレポートや感想などを書いていた。
私の熱量がきっと伝わると信じて。
ただ、そのために、きちんとしたものを書かねば、という思いも強くなり、長い間、ブログに書くような長文が書けなくなってしまってもいた。
それでも舞台を観に行けば、Twitterにちょこちょこと感想や短いレポートなどを書いていた。
そして、ふと気づくと、YouTubeやいろいろな情報のおかげか、いつの間にか日本版だけでなく海外版のエリザベートやその他のドイツ語圏ミュージカル作品や役者さんたちのファンが増えてきているのを感じた。
今はもう、自分から情報を探しにいかなくても、YouTubeやTwitter、Instagramなどで自動的に情報が流れて来て、「興味がありそうなもの」に出会えるのだ。
そこから、自分に合う、合わない、ということを選択して、実際に興味があれば、更なる情報を探しに行けばいい。
何と便利な世の中に!
という訳で、今の私は、気負わず、ただただ私の愛する舞台や役者さん、ダンサーへの愛を好きなときに好きなだけ叫び続ければいいのだとわかった。
気付いたら、ドイツに来て十数年経ってしまったが、相変わらず私は劇場に通っているし、この舞台への愛も当分おさまりそうにない。
そんな私の書いたものを読んだ方が、こんな世界もあるんだと知ってくださったり、ちょっと覗いてみようかと思ってくださったりしたら、とても嬉しい。凄く、嬉しい。
これが、私がドイツに住むことになった理由と、今現在に至るまでの話だ。
これからここで何を書いて行こうか楽しみだが、きっと舞台を見たら、書かずにはいられないエピソードがきっとある筈だ。
今は、自分でもそれを楽しみにしておこう。
追記 私が恋に落ちたミュージカル、エリザベートはこちら。今見てもやっぱり素敵だー!!