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女性のいない人事異動噂話

春は会社の人事異動の時期だ。私の会社も今年も大忙し。同僚たちは情報収集力を発揮して、他よりも早く次の組織体制のパズルを解いている。私も同僚と仲良くしていると、マル秘な話を聞くことができ、なんとも楽しい。この人は上がっていく、あの人は嫌われて外れた、誰と誰は同期だから関係性には配慮があったのかも……といった話を聞いて、会社の硬い組織が人間的な一面も見えてくる。

でも、この人事異動の話に女性の名前は話題に上がりにくい。人事異動に関する噂話は、高いポジションの人に関連しているから、女性はほとんど取り上げられない。同期であること、仲が悪いことといった話は男性同士の話だけど、女性は透明人間のように扱われている。

この状況から、女性ダイバーシティを高めることは簡単じゃない。女性的なものを排除した男性的秩序、その元でそれを補完する女性の役割、女性らしさを褒め神秘の領域に追いやる戦術、それら全ては本流秩序に女性をインクルードするためにどうすれば良いか?という発想ではない。女性が人事異動の噂話に上がるようになって、男性と同じように扱われるには、女性の指導的な立場を増やすことが必要だ。「女性の管理職候補者がいない」と言い続けても、変わらないし、次世代へ問題を先送りするのは無責任だ。候補者がいなければ育てて、変わってきている若い人たちに合わせて上の世代も変えていこう。それでないのはサボタージュだよね。従来の方法では行き詰まっているので、ブレイクスルーしたい。今日、「D&I推進委員会設立」の提案書を上司に提出したんだ。



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