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新人がてっとり早く結果を出す方法

新人がよく言われる言葉があります。

「まだ若いんだから大丈夫だよ」

「若いからこそできることがあるんだから。若さを武器にしなよ」

でも、新人でやる気もあって、いわば「尖っている」ときにこれを言われると「いや、若さじゃなくて、ちゃんと自分そのものの実力で評価してほしい!」と思っちゃうんですよね。

私はずっとそう思っていました。「若さを武器にしてキャピキャピ仕事をしていたら、いつかその若さがなくなったときに、なにも残らないんじゃないか?」と、不安に感じていたんです。

でも、一年間社会人をやってみて、ひとつ思い知ったことがあります。

それは「素の自分のままでは、まったく結果を出せない」ということです。

新人がてっとり早く結果を出す方法は「徹底的にパクる」こと

私は新卒で入った出版社で法人営業をしたのち、いまは株式会社WORDSという会社で編集者として働いています。

とくに法人営業は、最初は全然うまくいかなくて、泣いてばかりいました。でも最終的には、半期で4000万円弱の受注をとることができました。

WORDSでは、ありがたいことに会社初の正社員にしていただきました。

2つの職場の業務内容はまったくちがいますが、仕事がうまくいくときには、ある共通点がありました。

それは、「すごい人のことを徹底的にパクった」ということです。

根暗な自分のままでは、営業なんてできなかった

「徹底的にパクる(=TTP)が大事なんだよ!」というのは、前職の営業局長にもよく言われていました。

たしかに、私が前職の営業で結果を出せたのは、トップ営業マンの先輩のことを徹底的に真似したからでした。

「先輩から教わりたいです!」といって直属の上司になってもらい、その人に言われることをとにかく素直に取り入れました。

ときには納得できないこともありました。でも「この人が言うなら間違ってないんだろう」と思ってついていった。それが結果につながりました。

正直、私はものすごく営業向きの人間というわけではありません。

なんにも意識していない「素の自分」だったら、根暗だし、フワフワ喋るし、ボーッとしているし、お金の話なんて苦手です。

一方で、トップ営業の先輩は、いつもニコニコしていて、大学時代はロン毛で、バイトでもずっと営業をしていて、鬼滅の刃のウエハースが大好きな、めちゃくちゃ明るい人でした。相手に合わせたコミュニケーションができて、どんなお客さんとでも仲良くなれるんです。

「この人みたいにできるようになりたい!」

そう思って、先輩を自分に憑依させるイメージで商談をしていました。

竹村さんの文体を真似したら、褒めてもらえた

転職してWORDSに入ってからも、「パクる」ことで仕事を褒めていただけました。

WORDSは、編集者の竹村俊助さんの会社です。『メモの魔力』のライティングを手掛け、フォロワーも何万人もいるすごい編集者さんです。

「こんなすごい編集者さんの近くで働けるんだから、とことん技術を盗もう!」

そう思って、日々の仕事で書く文章も、徹底的に竹村さんに寄せていきました。漢字と平仮名のバランス、改行の仕方、ちょっとした言い回しなど……。

すると「とよふくさん、センスいいよね」といっていただけることが、すごく多くなったんです。

「パクらせてもらえる」という点で、若さは武器になる

「若さを武器にするべきか」という話に戻ります。

結論としては、ガンガンしちゃっていいんじゃないかな、と今のわたしは思います。

キャピキャピかわいこぶるとか、体力勝負のめちゃくちゃなことをするべきだ、という意味ではありません。

「教えてください!」「真似させてください!」と、いろんな人にお願いすることができる。そして、実際に見て学ぶ機会にも恵まれているという点で、若いことは武器になると思うんです。

独り立ちすると、なかなか先輩の商談を見せてもらえる機会はありません。原稿へのフィードバックをもらえる機会もどんどん減っていくでしょう。

だから若いうちに、「まだなにも知らない」ということを武器にして、いろんな人から技術を盗む。

当たり前のことですが、その大切さに気づかされた1年でした。

目指すは、ロバート秋山さん

「でも、そんなふうに真似ばかりしていたら、自分を見失ってしまうんじゃないか」と思う人もいるかもしれません。

確かに、むやみやたらに人の真似をしてばかりでは、自分で自分がわからなくなって、つらくなってしまうかもしれない。

そんなとき私は、ロバートの秋山さんをイメージしています。

秋山さんは「憑依型」の芸人さんだとよく言われます。「クリエイターズ・ファイル」でもいろんなキャラクターになりきっていて、それがおもしろい。

「秋山さんってどんな人なの?」と聞かれても、一言で答えるのが難しいぐらい、いつもなにかを「憑依」させていますよね。

でも昔の秋山さんより、いまの秋山さんのほうが、不思議と「秋山さんらしさ」がある気がしませんか? 

……ちょっと暴論かもしれませんが、「いろんなものを取り入れ、真似しつづけた先に、自分だけの個性やオリジナリティがある」のではないでしょうか。

よく「編集とは、既存のものをつなぎ合わせて、まったく新しいものを作ること」と言われたりします。

それは人間も同じで、いろんなすごい人の技術や行動を徹底的にパクって、自分の中で組み合わせていけば、それがまったく新しい「最強の自分」になるのではないかと思います。

個人的には、そうやって生きていくほうが楽しそうだなと思うんです。素の、根暗な自分のまま生きていたら、たぶん全然楽しくないですから。

若さを言い訳にできるいまのうちに、たくさん真似していこうと思います!


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とよふく/編集者
数ある記事のなかから見つけていただけてうれしいです。最後までお読みいただき、ありがとうございます!