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あたらしい定石「小目の一間バサミ」
1図
右下隅の定石を見たことがありますか?
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囲碁を打つ大人なら、多くの方が一度は打ったことがある。少なくとも見たことはあるのでは無いでしょうか。
2図
この手順です。
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私の道場の子供達も良く打ちます。昔の碁の棋譜並べをしていると良く出てくる手順だからです。
この定石は昔から、黒が厚いから得だと考える人もいれば、白が先手で有利だと考える人もいて、時代によっても変わりますが徐々にプロの間では白側に評価が傾いていきました。
3図
そしてAI時代になって、白が得であることがハッキリ示されました。
コミ6目半での開始時点は白0.2目有利なので、約1目黒が損しています。
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定石で1目損は、小さくない選択ミスです。
それで現在は、プロの対局で全く見られなくなりました。
4図
ちなみにこの場合、白1が成立するのでもっと黒が損になります。
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皆さんは序盤で1目損することを気にしなくて大丈夫ですが、このシチョウのことは大事なので覚えておきましょう。
5図
そしてこの形での「あたらしい定石」のひとつがこの手順です。
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黒1のアタリは依田紀基九段に何度か打たれたことがありますが、それはAIが登場するずっと前です。
6図
そしてこの様に、シチョウ関係が問題になります。AIが示す定石にはシチョウの確認が多く求められるので、シチョウが苦手な人は大変です😅。
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7図
古い定石を打つつもりで、相手にあたらしい手を打たれた。左上の配置によってシチョウが心配な時は、これくらいにあっさり譲って白が打てる。
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このことをふんわり覚えておくと良いかも知れません。