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花がふってくると思うこと

花がふつてくると思ふ
花がふつてくるとおもふ
この てのひらにうけとらうとおもふ

という八木重吉の詩を、花が降ってくると思い出す。
いつも思い出す。
思い出して花をうけとろうと手のひらを花にかざすけれど、花はどこかに落ちていってしまう。
アスファルトに落ちて風に転がり、水に落ちて寄せあつめられ、みんな朽ちてゆく。
でも受けとめてもどうすればいのだろう。
どうすることもできない。落ちてきた花の命は何一つ変わらない。
それでも花がふってくる嬉しさに、やっぱり花に手をさしだす。
運よく手のひらに乗せようと、花がふってくるとおもう。
この上に落ちておいで、とおもう。

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