うさミミ🐰エッセイ「美意識の羅針盤」
若い頃の刷り込みは恐ろしい。こんな年(50代後半)になってもまだ10代で素敵だなと思ったものを引きずっている。
この前、大好きなchai-lottaちゃんの記事を読んだ。
chaiちゃんの記事はいつでも衝撃を受ける。私はchaiちゃんをすごい人だと思っている。どうすごいか上手く言えないほどすごいと思っている。
そのchaiちゃんの最新の記事はこれだ。
記事は、みうらじゅんFESでみてきた『フェロモン顔』の展示についてから始まり、”文豪たちが愛したストリッパー・ジプシー・ローズ”へと移り、ジェーン・バーキン、ベラドンナ(アニメの主人公)で終わる。
chaiちゃんは、ある場合には彼女らの気に入った写真を雑誌から切り抜き大切にしてきた。それは若い頃からの人生の美意識の羅針盤のようなものだったであろう。
はたとわが身を振り返る。私はここまでの人生で何かを失敗した気がしている。その失敗感はchaiちゃんのようなフェロモン溢れる美意識の羅針盤を持たなかったせいではなかろうか?私に何かそんな指標があっただろうか?
思い浮かんだのはこれだった。陸奥A子の漫画。
一番好きなコミックが見つからなかったが、この時期の陸奥A子の漫画がとても好きで、ファッションなどにも非常に影響され、今も続いている。
見当たらなかったコミックの主人公の「黒髪ボブに黒いセーター、花柄のふんわりフレアスカート」というようなスタイルが今でも一番好きなファッションだ。
今回のうさミミでも真っ先の陸奥A子の漫画に出てきた、耳先にイヤリングを付けた女の子が思い浮かんだ。
私の羅針盤はこれだったのだ。そうだとしたら、まあ順調に進んできた人生だ。大人げなく色気もなく高級感とも無縁な50代だけれど、順調な航海だったと思えた。
ふんわりスカートやワンピースにストラップシューズ、休日にはケーキを焼いて手芸をする。落ち葉の道を散歩して、静かな喫茶店で妹とお茶しながらおしゃべり。
出来ている。安心した。失敗なんかしていなかったのだ。