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ひと色展【短文】*夢を見た*

お茶畑にいる夢をみた

どこまでも広がる新茶の時期の緑まぶしいお茶畑

見上げると、真っ青な空に白い雲

ところどころに立っている、電柱みたいな霜よけの扇風機

どこかのお茶工場から、お茶を蒸す良い匂いがする

いつまでもいつまでも嗅いでいたい緑の葉っぱの匂い

夢の中だけど目を閉じて、胸いっぱいに吸い込む

あ~幸せ。お茶の産地の幸せ。

目を開くと、雲の上の茶店の赤い毛氈に座っているわたし。眼下に広がるお茶畑。

お茶名人のおじいさんが「さあどうぞ」とお茶を淹れてくれる

とびきりのお茶は緑色じゃない。金色をしている。緑から生まれた金色だ。

「いただきます!」

白い茶碗を手に取ったところで目が覚めた。

新茶だ。新茶を飲もう。新茶を飲まなくては。

五月なんだから。


*イシノアサミさんのひと色展コラボに参加させていただきました。イシノアサミさん、ありがとうございます。
*テールベルトから生まれた小品です。


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