先週の今頃は大阪
先週の今頃は大阪に行っていた、と思いながら今日一日過ごした。
6月の始めに行く予定だった初めての大阪。大雨で延期になった。延期して無事に行けるのかずっと不安だった。だがちゃんと行けた。延期して良かったと思えることが幾つもあったほどだ。
そんな初めての大阪に先週の土日に行ってきた。
50代半ば過ぎて初めて大阪に遊びに行ったのだ。
でも私は大阪に限らず、あまりあちこち行っていない。東北だって行ったことがない。沖縄も行ったことがない。新潟とか山形だって行ってない。山陰地方も行ったことがない。
そんなことを考えながら初めて新大阪で新幹線を降りた。
あとはもうずっと、大阪の友人と一緒だった。
一日目は行ってみたかった中之島美術館へ。佐伯祐三展をゆっくりじっくりみることが出来た。その大阪の友人と一緒に美術展を観に行くのが去年からの夢だった。こんなすぐに実現するなんて、と喜び合いながら、レトロ建築の中之島図書館内のカフェでランチした。
その後も友人は、堺の民泊に泊まる私に付き合って堺まで一緒に移動してくれて、堺アルフォンス・ミュシャ館にも付き合ってくれた。
入館料は安いのにたっぷり楽しめた。
もともと知り合いだったかのように気さくに話せるホストの民泊で、盛りだくさんな楽しい経験やおしゃべりをして、翌朝は早くから仁徳天皇陵を歩いたりした後、大阪二日目は、また別の大阪の友人と待ち合わせていた。
みんな、私が大阪初めてというと、どこに行きたい?と聞いてくれる。その友人には「通天閣にいきたい。たこ焼きが食べたい」と頼んであった。しかし会ってそのまま通天閣には行かずに「あべのハルカスに行ってみる?」と誘われる。彼女は私が高所恐怖症だと知っているので、無理強いはせずに、そっと誘う。まず無料で行ける16階までどう?と。
私はうなずいて16階に向かう。あれ、意外に大丈夫そう?60階まで行ってみる?またうなずく私。60階までのエレベーター。怖いだろうか。大丈夫だった。すぐに着いてしまう。少し曇り気味でも遠くまで見える。海も見える。少し窓に近づいてみる。少しは近づける。
ガラスの床にも近づいてみる。友人の肩につかまれば、ガラスの床に乗れるだろうか?…無理だった。
でも大阪の景色をみながらおしゃべりする時間はとても楽しかった。ずっと話していたいくらいだった。
日本のビルの中での1番高いというあべのハルカスから出た後、通天閣をみて記念写真を二人で写し、たこ焼きを焼きながら食べて、新大阪まで一緒に行く。お土産を買うのにも付き合ってもらって、改札まで送ってもらい、手を振って別れた。
新幹線を降りて改札を出て、また改札を通るまでずっと、大阪の友達と過ごした温かい旅だった。思ったほど大阪弁が聞こえてこなかった二日間。
案内してくれた友人たちにありがとうの気持ちでいっぱいになりながら新幹線に乗って静岡に帰り、帰ったあとも今日までずっと、まだありがとうという幸せでいっぱいのまま過ごしている。
明日もまだ、先週の今頃は大阪、と思いながら過ごすだろう。
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