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蟻くらい小さな幸せと祈り

私は仕事ができない怠け者であまり人の役に立たないから、せめていろいろな人に、小さな楽しい言葉をかけて過ごしたい。 身近な人にも遠くの人にもネットで繋がる見知らぬ人にも顔を知るネットの友人にも、幸せな気持ちになるような言葉を届けられたらどんなに嬉しいだろう。
でも 早朝から出勤もせず 1日中働いていることもできないだらだらした私はめいっぱい働いている人にとても引け目を感じる。せっせと働いている蟻のこともとても尊敬していてしゃがんで ずっと見ていることができる。
ただし50代にずっとしゃがんでいるのはきつい。足がしびれ、悪くするとめまいがする。涙のように汗がぽとぽと足元に落ちる。でも出来る限りしゃがんで蟻を見続ける。七色の砂糖をこぼして蟻に運んでもらったらさぞ綺麗だろう。そんなことを考える。でもめまいがしなくて足がしびれなくても、自分で砂糖をこぼしてそこに蟻が集まってきて運んでいくまで見ているほどの暇は、 私にもいくらなんでもないのだった。
でも蟻のような小さな祈り、七色の砂糖粒のような小さな祝福。私の言葉で少しでも誰かが幸せになりますようにといつも小さく小さく祈っている。蟻をみながら祈っている。
逆にどこかから私に優しい言葉が静かな雨のように降ってくることもある。嬉しくなって、ありがとうありがとうと顔に雨を受けてつぶやきながら、また蟻のことを考える。


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