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『ぼちぼちです』

週1回日本語レッスンをしている若い生徒さん、初級レベルで、ひらがな、カタカナは読めて、基本的なフレーズを覚えたり、基礎的な文法を勉強しながら、日常会話の練習しています。

会話ができるようになるために、まずは語彙をどんどん増やしましょうということで、googleスプレッドシートで品詞別に作った表に、覚えた単語やフレーズを入力してもらっています。表を共有し、生徒さんが入力したものに間違いがあれば私が修正したり追加したりします。語彙が増えてリスト作りが追いつかなくなってくるかもしれませんが、生徒さんが現時点で、どんな単語やフレーズを知っているかが分かり今のところ役立っています。

先日、次のレッスン準備をするためにリストを見ていたら、「ぼちぼちです」と入力されていました。はて、「ぼちぼちです」は関西弁でしょうか?標準語でしょうか?

関東出身の夫に聞いたところ、関西弁なんじゃないの?「儲かりまっか?」「ぼちぼちでんな」は明らかに関西弁でしょ、との答え。

私は生まれも育ちも関西です。でも、両親共に関西人ではなく、私も大人になってからは東京に住んでおり、別に隠すつもりはないですが、コテコテの関西弁はそんなに出てきません。むしろ標準語を喋っていると自分では思っていますが、言葉の端々に関西弁が見え隠れしたり、イントネーションが関西弁になっている自覚はあります。そして時々、この言葉は、標準語?関西弁?このイントネーションは関西弁?標準語?と、分からなくなります。

調べたところ、「ぼちぼち」自体は標準語のようです。

ぼちぼち[副]
1 ゆっくり物事にとりかかるさま。また、ある事態に近づくさま。そろそろ。「—出かけよう」「—昼だ」

デジタル大辞泉

「ぼちぼち」とは、性急にではなく徐々に、ゆっくりと、物事が進行するさまを意味する表現である。物事に取り掛かったり、時機が近づいたりするさまを形容する意味で用いられる。「ぼつぼつ」ともいう。「そろそろ」と言い換えられる場合が多い。

実用日本語表現辞典

ただし、使い方によっては関西弁になるようです。

いわゆる関西弁の「ぼちぼち」は「まあまあ悪くない」という意味合いで用いられることが多いが、これも「派手な勢いではないがゆっくりと事が進んでいる」という意味を土台とする表現と解釈できる。

実用日本語表現辞典

「調子はどうですか?」「ぼちぼちです」というような使い方は関西弁になるようですね。

生徒さんに「ぼちぼちです」のフレーズはどこで知ったのか聞いてみたところ、日本人の友達が言っていたとのこと。「ぼちぼちです」は若者言葉とは思いませんが、私の息子達と同じ年代の生徒さんなので、お友達も面白い言葉を教えたりするのでしょう。その内、どこかで面白い若者言葉を覚えてきたら、逆に教えてもらおうと思っています。

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