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ローカル映画『Fresh Off Markham』

現在、カナダ・トロント郊外マーカム市に住んでいる。こちらの映画館Cineplexでは、火曜日は5ドル(現レートで550円ぐらい)で映画を観れる。今日は火曜日なので、何か良い映画が上映されていないか調べてみたところ、住んでいる市の「マーカム」と名の付く面白そうな映画を見つけた。久しぶりに映画館に足を運ぶことにした。

https://www.cineplex.com/movie/fresh-off-markham-multilingual-west

『Fresh Off Markham』という、中国系カナダ人が監督の2023年の映画。マーカムを舞台に、中国からの移民の生活を描いたドラマ。「ここは、トロントの中国なんだぞ!」という台詞があるように、マーカム市は中国系が人口の半数以上を占める(2021年の人口調査では59.2%)。ここは中国?と錯覚しそうな場所がたくさんある。

全体としてコメディタッチで描かれているが、中国系移民の歴史や、職を求めて渡ってきた人々の苦労、受けてきた差別などの話も盛り込まれている。中国系の人達はこの映画を観て、どんな感想を持つのだろうかと気になった。

可笑しかったのが、中国系オーナーの日本食レストランの名前が「真」と書いて『まじ』と読ませていたこと。「いくらなんでも、『まじ』はレストランの名前としておかしいでしょ」とツッコミを入れたくなった。分かっていて、受け狙いだったのだろうか。それから、日本語を話す中国系のレストランオーナーに対して、日本人を想定していると思われるお客さんが注文する場面があった。「これ、これ」と「これ」という言葉だけで注文していて、いかにも日本人ではなさそうで変だった。多分、日本人の映画スタッフは誰もいなかったのだろう。

前半はコメディタッチ、後半はサスペンスっぽくなり、ちょっとドキドキした。最後の方で家の地下の話になり、韓国映画『パラサイト』を思い出してしまった(あれは怖い映画だった)。カナダに限らず、お隣の国も、ヨーロッパの国々も抱える移民問題や多文化共生のシリアスな問題を、ちょっと面白おかしく描いた作品だった。

期待して観に行ったので、そこまでの映画ではなかったが、見覚えのありそうな場所が出てきたり、車のロックは必ずしなきゃとか、トロントエリアに住んでいる人ならクスッと笑える場面が色々とあった。

車泥棒と言えば、夕方、総領事館から注意喚起のメールが来ていた。

1月21日、ヨーク地域警察は、同地域において犯人グループが標的の車両に故意に車両を衝突させ、運転手が車両の外に出て被害状況を確認している隙に車両を強奪する事件が相次いでいるとして警戒するよう呼びかけました。
 同様の手口による被害は以前からあったものの、最近では発生していませんでしたが、11月7日夜にマーカム市内で発生して以降、現在まで4件が報告されているとのことです。
 皆様が標的となる・被害に遭う可能性も排除されませんので、以下を念頭に置き、警戒を怠らないようにしてください。
●運転中などに他の車両に尾行されていると感じたり、異変を感じたりした場合には警察に通報もしくは直接向かうなどの対応を取る。
●実際に衝突事故が発生し車外に出る際には、エンジンを切ってキーを持ち、ロックをかける。万が一車両を奪われてしまった場合にすぐに通報できるよう、携帯電話も車内に置きっ放しにしない。
●犯人が武器を持って車両を渡すよう脅迫してきた場合は生命の安全を優先して抵抗しない。

在トロント日本国総領事館からのメールより

以前の記事にも書いたが、夫の車も、引っ越して一年目に二度被害にあった。一度目はホテルの駐車場で車が忽然と消え、二度目は家の前の駐車場で夜中に狙われ、後ろの窓ガラスを割られた(私は犯人が逃走する姿を家の中から目撃)。また被害が増えているとのこと、気を引き締めなければ。

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