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『タイタニック・ライブ』

友人に誘われ、トロントのメリディアン・ホールでオーケストラの生演奏と生コーラス付きの映画『タイタニック』を鑑賞した。夜7時に開演し、途中休憩を挟んで終了は11時近く。長丁場だった。

ストーリーは広く知られ、見出し画像の船首での例のポーズも一世を風靡し、セリーヌ・ディオンの主題歌も大ヒットした。そのため、なんとなく観たことがあるような気になっていたが、実際に映画を観るのは今回が初めて。私は昔から、いわゆる王道の大ヒット作や、巨額の製作費をかけたハリウッド映画にはあまり惹かれず、敬遠しがちだったため、これまでわざわざ観ることはしていなかったのだった。

スクリーンの前で、映画にぴったりとシンクロしたオーケストラの生演奏は迫力があり、なかなか良いものだった。セリーヌ・ディオンではなかったが、女性歌手も朗々と歌い上げていた。

途中のシーンでは笑いが起こったり、拍手が湧いたりして、映画館で普通に観るよりも観客がリラックスしている雰囲気だった。会場全体が温かい空気に包まれていて、とても心地よかった。

終盤、ディカプリオ演じるジャックが海に沈んでいく場面で、後ろの席の人が鼻をすすりながら号泣し始めた。私もそれなりにスクリーンに集中し、感情移入していたつもりだったが、この純粋なラブストーリーでは泣けないなぁと冷静に構えている自分に気づく。まあ、若かったとしても泣かなかっただろうけど。

ラブストーリー自体よりも、人間が生死をかけた場面に直面した時、その人の本質が問われることをまさに証明したストーリーだなぁと思いながら観ていた。もし私がこの船に乗っていたとしたら、運命共同体の一員としてどんな行動を取るだろうかとか、映画を観ながらそんなことを考えていた。

エンドロールと
セリーヌではない主題歌

それにしても、ずいぶんとお金のかかった映画だなぁというのが一番の印象。調べてみると、製作費はなんと200億円。驚くと同時に、巨額の費用を投じたからこそ生まれた迫力ある映画だと納得した。

生演奏は素晴らしかったので、ぜひ『ニュー・シネマ・パラダイス』を生演奏付きで観てみたい。

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