制作裏話:マユの設定-薬物依存症者の凄惨な人生
「だらしない夫じゃなくて依存症でした」の第二話で初登場する、薬物依存症のマユちゃんの制作裏話(二回目!)
当初、彼女には家庭内の問題で10代のころ「うつ」になり、処方箋依存から始まって、クスリへの抵抗がなかったという設定がありました。
私自身がカフェイン錠剤にハマったのも、腎不全で入院した時に薬の便利さを覚えたので、抵抗がなかったことが一つありまして。薬に頼ったことのない健康な多くの方は「薬って怖い」があると思います。私も入院するまでそう思ってました。
ところが入院中に出された薬。腎不全はもちろんのこと、一錠飲めば生理痛が軽減し、一錠飲めば不眠症など関係なく眠れる。薬ってスゲーな、なんて考えてるうちに抵抗は消えて、カフェイン錠剤に頼るベースができちゃいました。
そんな話を監修の方にしたら、薬物(違法だけじゃなくて)にハマる人は、子供の時に病院にかかって、薬に抵抗がなくなった、というのもよく聞く話だとか。
…が、結局、処方箋の部分は厚労省により削除(細かい理由は忘れましたが、処方箋の取り扱いが云々だった気がします)になりましたとさ。
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もう一つ。第二話の冒頭で
この画像の続きには、義父から性的暴行を受けてる絵が入る予定でした。この設定は私の中でまだありまして、「ユリちゃんにわざわざ話さないだろう」という設定を勝手に(笑)作ってます。
性的暴行という過激さが欲しかったのではなく、覚せい剤に手を出す女性は未成年の内に性的暴行・虐待を受けたケースが多いから。その多くは父親や兄弟から。取材した内の女性の一人もそうでした。
安全からかけ離れた凄惨な家庭環境から逃げるため、中学校卒業後は親元を離れ、身寄りのない自分を受け入れてくれた場所でクスリを知った…というのがよくある話。あるいは売春してお金を稼がなくてはならず、セックス中の苦痛を忘れるためにクスリを使うというのも。
家を出なくても、癒されない心の傷を、出会ってしまった薬物が打ち消してくれる気がしてやめられなかった…。というのは容易に想像できますよね。違法でも使わなきゃこの現実は生きていけない。素面でいるには厳しすぎたから。
が、これ2話でいきなりハードル高すぎません?お疲れ社会人の皆様に電車の中とかで、軽ーく暇つぶしがてら読んでもらうものとしては、重たすぎるでしょ。重たすぎて2話で切られたら困る。と思って自粛しました。
変に自粛しすぎて、冒頭の色んな部分をカットしまくったので、監修の方からユリがショウちゃんからDVを受けてると思われてたみたいです(笑)
とはいえ、案の定、表面だけすくった2話でも「重い……」とのコメントがついたので、加減としてはオッケーだったと思います。
ただ書籍化するとして、本になったらどのみち依存症の関係者しか読まなくなるから(笑)加筆修正したいなーと密かにたくらむ今日この頃です(するとは言ってない)