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看取ってません Part 2


前回の続きです。 

 夫は、自分がデザインしたお気に入りの家で、お気に入りのソファの上で、ただ眠るように旅立ちました。本当に穏やかな顔をしていて、まるでいつものように寝ているかのようでした。お医者さんも、「ご本人はただ寝ているだけだったと思いますよ。苦しむ間もなかったでしょう」と言うほどでした。突然死ってこんな感じなんだ、、、とぼんやり感じます。


 「夫を看取っていないこと」
 「夫の最期に立ち会っていないこと」

 そのことについて、私の心には後悔はありません。それは決して仕方がなかったからでも、死を受け入れたからでもなく。

 誤解を恐れず言うと、私たち夫婦にとってきっとこの形がベストだったのかもしれないと感じているからです。夫がそうしてくれたのだと思うのです。

 もし、夫に死が近づいていると分かっていて、私たち家族がその瞬間を迎える準備ができていたとしたら…私はその状況に耐えられなかったでしょう。夫は、そんな私の性格・性質を理解していたのだと思います。だからこそ、突然の衝撃に直面することになったのです。

 きっと多くの人が、人生の中で、大切な人との別れを経験します。いつ、どんな形で別れることになるのか、予測不可能です。

 夫は、死を選んだわけではなく、死に方を選んだわけでもないけれど、

 夫の最期をそんなふうに捉えることで、少しづつ現実を受け入れ、前を向けるのです。

 

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