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夫が遺した最高の資産 2
8月のある日、葬儀にも来てくれた夫の親友2人が、遠方からわざわざ我が家を訪ねてくれました。彼らは夫と大学時代からの付き合いで、長い友情を育んできた大切な存在です。夫が亡くなったと知らせたときも、彼らは驚きと悲しみを隠せず、泣きながら電話越しに、信じることができない、と繰り返し話してくれたのを今でも鮮明に覚えています。
夫の遺影の前で、静かに挨拶をしてくれました。3月に3人で再会していたときは、誰もこんなことが起こるとは思ってもみなかった、子どもの話や、趣味の話などで盛り上がり、また会おう、といつも通り別れただけなのに、と。
私自身も、夫が亡くなった朝は、ただ「起きたら冷たくなっていた」――それだけの現実に打ちのめされ、何もできずただ生きて今日に至っています。親友たちも、その突然の別れに、ただただ驚き、複雑な感情を抱いている様子でした。
その後、子どもたちとも一緒に楽しい時間を過ごしました。夫の遺影をそばに置き、カードゲームや将棋をし、子どもたちも大はしゃぎ。笑い声が絶えず、まるで夫もその場にいるかのような、あたたかいひとときでした。
彼らは「僕たちは、彼が亡くなったからといってこれで関係終了なんて思っていなくて。これからも彼の遺影の前で、今までみたいにしょうもない話して笑って過ごす関係性でいたいと思っているんです。だからこれからも、会いにこさせてください。これから、子どもたちを一人で育てるのは大変でしょうから、遊園地とか体力を使うときは大人が多い方がいいですし、ぜひ誘ってください。一緒に行きますからね」と優しく言ってくれました。」
その言葉がどれほど心強く感じたか、言葉では言い表せません。
人と人との繋がりは、生きていようが死んでいようが、関係ない、死んでも切れない縁があることに、心打たれました。
以前も投稿しましたが、やはり、夫が残した最高の資産は、彼の人柄が繋いできた温かい人とのご縁だと確信しています。