看取ってません Part 1
死別後、5ヶ月ほど経ってもなお、あの日あの時のことを思い出すことはあります。当時ほどのパニックにはなりませんし、だからと言って平気でいられる思い出でもなく。
ただふと、「そういや私、看取ってないなぁ。」と振り返ります。
夫は、夜中、自宅のソファの上でただ眠るように、誰にもその瞬間を気づかれることなく旅立ちました。
翌朝、私が発見したので、私は、「第一発見者」です。
夜中にリビングで倒れるにしても、床に倒れてくれたら、その音で私たちも目が覚めたかもしれない、すぐに救急車で運んでいれば助かったかもしれない、と、家族の前で大泣きしたことがあります。
泣き崩れる私に、姉は優しく言ってくれました。「⚪︎⚪︎くん(夫)はただ寝ていただけ。⚪︎⚪︎が最初に発見したんだから、これでいいの。⚪︎⚪︎くんは、寝ているところを、⚪︎⚪︎に最初に見つけて欲しかったの、だから、これでいいのよ。床に倒れたりなんかしてたら、すごく痛い思いしたでしょ。痛い痛いって苦しむことになったかもしれへんやんか。⚪︎⚪︎くん(夫)はただ寝ていただけだから。」
ただ寝ていただけで、明日が来ないなんてそんな非情なこと、そんなことがあるのか、なぜ夫が、なぜ私たち家族にこんなことが起こるのか、と泣き崩れました。
姉の言葉は、その時は理解できなかったのですが、今は少しづつ腑に落ちています。