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七夕に訪れた不思議な再会

 夫が亡くなってから、もうすぐ3ヶ月が経とうとしている頃、七夕がやってきました。その日は特に感慨深いものもなく、息子に「七夕ってなんだっけ?」と聞かれたものの、私自身が気持ちが沈みがちで、正直答える気力もありませんでした。「なんだっけねー」なんて適当な返事をしながら、ただいつも通りに夕食を食べていました。

七夕といえば、織姫と彦星が年に一度だけ会える日。そんな風にぼんやりと心の中で思いながら、淡々と過ごしていました。

 その夜、不思議なことが起こりました。私は子どもたちと3人で同じ部屋で寝ていたのですが、半分寝ているようで、半分起きているような不思議な感覚の中にいました。その状態で、私は一生懸命何かを喋っていて、子どもたちも何かを話しているように感じました。でも、確実にもう一人いるのです。そう、夫でした。

 4人で何かを一生懸命話していました。何を話していたのか、具体的には思い出せません。ただ、夫が隣にいて、彼のぬくもりをはっきりと感じていました。私は一生懸命に何かを話していて、夢だとわかっているような、でも実際に夫がそばにいるという感覚が強く、ただただ「会えてよかった」「また会えたんだ」と感じていました。


 目が覚めた時、すでに朝になっていて、その不思議な感覚だけが残っていました。娘も、「何かは覚えていないけど、パパと喋ってたわ」と言うのです。

 私は、いわゆる霊感が強い方ではありませんが、夫が亡くなってからというもの、時折夫の存在を肌で感じることがありました。特に、四十九日までは確実に彼が近くにいるという感覚があったのですが、四十九日法要を境にその感じがピタッと消えてしまっていたのです。

 だからこそ、この七夕の夜に久しぶりに夫を感じられたことが、恐ろしいというよりも、とても嬉しい出来事でした。こんな風にたまに会えるなら、それも悪くないなと思います。

 この話は、現実離れしているかもしれません。でも、同じように大切な人を亡くした方々には、共感していただける部分があるのではないでしょうか

 死別を経験すると、時折このように故人の存在を強く感じることがあるのかもしれません。

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