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パパの車と家族の選択 Part2  〜パパの願い〜

前回の続きです。
次回で完結です。

 車の手放しについて、子どもたちは「絶対にダメ、車はパパそのものだから」と大反対。2人とも強く主張して、私の心も揺れ動きました。何度も家族や友人に相談しましたが、私自身の気持ちが定まらず、結論を出すのに時間がかかりました。

 そんなある日、突然「ハンドルだけ買い取れないのかな?」という考えが浮かびました。今思えば、夫がそっと教えてくれたのかもしれません。すぐにディーラーに相談して事情を話したところ、ハンドルだけ買い取ることが可能であるとわかりました。

 ハンドルは、パパが毎日触れていた部分。一番パパの温もりを感じることができる部分です。いつもハンドルを握ってカッコよく運転してくれたパパ。車自体は手放すことになるけれど、ハンドルだけでも家に残すことができる。子どもたちに話したところ、「家の中に置けるの!?それなら・・・。」と、2人とも納得してくれました。

 最終的に、車の引き取りは8月1日に決まりました。子どもたちの希望通り、最後の最後まで家のガレージに車を置いておけるように、と、ディーラーさんが車検ギリギリ、ハンドル解体作業ギリギリの日程で組んでくださいました。

 パパが毎日乗っていた車に、子どもたちも私も、最後のお別れをしながら過ごしました。それについての詳細は、次回のブログに綴ります。

私たちは、車という形ではなくても、パパと一緒にこれからも歩んでいける――そう信じています。

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