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パパ、観てる?楽しみにしてた運動会やで〜

 10月、小学校の運動会がありました。今年から息子も1年生になり、娘と一緒に2人で参加する姿に、成長を感じて胸が温かくなりました。娘の演技や息子の笑顔、見ているだけで幸せな気持ちに包まれました。

 同時に、夫との思い出もよみがえります。昨年は、息子は保育園児だったので、私と夫と息子の3人で、当時小学校2年生の娘の運動会を観覧していました。
 「来年からは、二人とも小学生か。二人分やから、見どころ満載やなあ!」と、夫は楽しみにしていました。来年も、再来年も、ずっと子供の運動会を観にくる、当たり前の未来に、「そうやなあ!」と、私も笑顔で返事をしました。
 当たり前に4人で歳を重ねると思っていた、無意識に信じて疑う余地もない。そんな昨年のことを思い出しました。
 しかし現実は。
 夫の匂いが残る、夫のリュックを背負って運動会に出向き、夫の写真を手に、子供たちの活躍を半分泣きながら観ていました。

 夫は息子のランドセル姿を一日しか見ていません。入学式の日、たった一度だけ。ランドセルを背負った息子と共に登校し、入学式に出席しました。「似合ってるやんか!なあ!」と、娘も一緒に4人で登校したことが昨日のことのようです。

 普段、夫は子どもたちより早く家を出て、子どもたちより遅い帰宅でした。なので、息子がランドセルを背負って登校する姿、宿題に取り組む姿、真新しい体操服に身を包む姿、娘と息子が二人並んで登校する姿を見ていません。そのことは、夫自身それほど気にしていなかったと思います。なぜなら、この何気ない日常が、もうすぐ終わるなんて知らなかったからです。

 イベントごとに寂しさが募るけれど、子どもたちの笑顔を見るたびに、夫も遠くから同じように微笑んでいる気がします。私たちは、いつも心の中でつながっている。そんな強い気持ちを抱いた運動会の一日でした。


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